
更正の請求期間の延長について
昨年12月公布された平成23年度税制改正で、更正の請求期限が「1年から5年に延長」され、「当初申告要件の廃止」と「適用額の制限の見直し」が行われました。この更生の請求の改正ついて、2回に分けてご説明します。
1回目は、更生の請求についてと請求期限の延長についてです。
<更正の請求とは>
更正の請求とは、国税通則法で、当初申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は計算に誤りがあり、当初に納めた税金が、過大であることが確認できた場合に、還付を受けることが出来る制度です。
<更正の請求ができる事由とは>
更正の請求の事由は、当初申告書に記載した課税標準、税額等の計算が国税に関する規定に従っていなかったこと、計算に誤りがあった場合に認められております。
更正の請求の期間が延長されたことに合わせて、当初申告要件の廃止、適用額の制限の見直しが行われ、更正の請求の範囲が拡大されましたが、相続税の小規模宅地の適用対象土地の選択変更や、消費税の仕入税額控除において、個別対応方式を一括評価比例方式に変更することなどは認められません。
上記については、どちらを選択するかは納税者の自由であり、計算に誤りがない限り、更正の請求による変更は認められておりません。
<事実を証明する書類の添付義務と偽りの記載をした場合の罰則について>
更正の請求の際に、「事実を証明する書類」の添付が必要になりました。
また、虚偽の記載をして更正の請求をした場合には、1年以下の懲役又は、50万円以下の罰金規定が創設されました。
<請求期限の延長>
今まで更正の請求は法定申告期限から1年以内のため、1年を過ぎた場合、嘆願等を行う方法しかありませんでした。
この改正で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が原則として5年に延長されました。
また、あわせて課税庁側が増額更正できる期間が、3年間とされていた所得税・相続税・贈与税について、5年間に延長され、更正の請求の期間と統一されました。
当初申告要件の廃止・適用額の制限の見直しについては、次回に続きます。
出典:国税庁HP、週刊税務通信