新地方公会計制度の今後の推進について

コンパッソグループでは地方公共団体における新地方公会計制度について、平成19年度決算より導入支援を行っており、今年で6年目を迎えることになります。
そして、この度総務省の「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」が一つの区切りを迎え、新たに作業部会という形となって今後の公会計の推進について議論をしていくことになりました。
そこで、これまでの研究会の報告書についてご説明するとともに、今後の公会計の推進について意見を述べていきたいと思います。

今後の新地方公会計の推進に関する研究会
総務省では、平成22年9月に「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」を立ち上げ、現行モデル(基準モデル、総務省方式改訂モデル)の検証を行うとともに国際公会計基準(IPSAS)及び国の公会計等の同行を踏まえた新地方公会計の推進方策等を検討してきました。
平成25年3月31日時点における平成23年度決算に係る財務書類の作成状況は下記の表のようになっており、総務省方式改訂モデルが大多数を占めていることがわかります。この総務省方式改訂モデルは地方公共団体の事務負担などを考慮し、簡素な方法で作成することが可能となっているため、ほとんどの地方公共団体でこの方法により作成しましたが、固定資産台帳の整備が出来ていない状況と民間の企業会計でいうところの発生複式にはなっていないという状況です。
そして基準モデルについては財源仕訳が分かりづらいという意見や、ソフトの導入などで一定の経費負担がかかるという状況となっています。また、下記の表にありますように基準が統一されていないため、比較可能性という観点からは基準を統一した方がよく、基準が統一されれば公会計の推進も進むことにもつながります。

本研究会の当初は、国際公会計基準を統一の基準として考えられていましたが、国際公会計基準では、細かい部分までの規定がなく、日本としての統一基準とするのは実情にそぐわないという判断となりました。そして、他の東京都や大阪府等の方式については、会計別から事業別まで様々な区分で精度の高い財務諸表を作成していますが、システムの導入費用や職員の事務負担を考えると、全ての地方公共団体にこの方式を採用することが難しいと考えられています。
このような状況からこの研究会での中間的な報告として、「固定資産台帳の整備」と「発生複式」は必須であるということが決まりました。そして今後の課題として基準モデルの場合の財源仕訳の簡素化や税収の取り扱いについて、資本なのかそれとも収入なのかという結論などを最終的に出すという中間的なとりまとめとなりました。

今後の新地方公会計の推進スケジュールについて
平成26年4月を本研究会の最終的な目処として、この夏より新たに作業部会という形となって、新たな基準に関する具体的な検討に入ります。固定資産台帳の整備についても、今後の活用の仕方についてなど検討をすることになります。

今後の公会計について
上述のとおり、固定資産台帳の整備と発生複式は必須であることが確定したため、地方公共団体の方にはそれに向けて進んでいただければと思います。基準の統一も大事ですが、それよりも精緻な固定資産台帳を作ることが重要で、今後の活用ということでも生きてきますし、何も整備をしないよりはとりあえず作ってみるということが必要だと思います。

今後の方向性など詳しい話を聞いてみたいという地方公共団体の関係者の方は、コンパッソ税理士法人までご連絡ください。

出典:総務省HP「地方公共団体の平成23年度決算に係る財務書類の作成状況等」より

川崎事務所 鈴木伸明

 

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