新地方公会計制度の今後の展開と公共施設等総合管理計画について

コンパッソグループでは地方公共団体における新地方公会計制度について、平成19年度決算より導入支援を行っており、今年で7年目を迎えることになります。その新地方公会計制度については、総務省が行っている、「今後の地方公会計の推進に関する研究会」の一定の検討が終わり、その結果を踏まえて、新たに基準の統一に向けて進み始めています。また、平成26年4月22日に総務大臣通知により、地方公共団体に対し、「公共施設等総合管理計画」の策定要請が出ており、今後「インフラ資産の選択と集中」や「長寿命化」の検討を行っていくことになります。その「公共施設等総合管理計画」の策定に当たっては、新地方公会計制度も関係する所もありますので、その内容も含めて今後の新地方公会計制度がどのように展開していくのかという方向性をお伝えしたいと思います。

基準の統一について
現在の基準では大きく分けて、基準モデル・総務省方式改訂モデル・東京都方式・大阪府方式の4つに分かれており、比較可能性などの見地から基準の統一が課題となっていました。この度、その方向性がまとまり、発生複式簿記の導入と固定資産台帳を誘導的に算出するということが決まり、単式簿記から複式簿記への移行の仕方については、日々仕訳若しくは期末一括変換で行うことになります。
また、財務諸表様式の変更点の特徴を以下にまとめました。

公共施設等総合管理計画
過去に建設された公共施設等の耐用年数が迫っており、今後莫大な公共施設等の更新費用が予想されています。国を含め今の地方公共団体の財政状態では、この問題に対処することが困難な状況が予想されます。また今後の人口減少などにより、公共施設等のあり方がどのように変化していくかを見定めることが必要となります。
そこでこの計画の狙いとしては、地方公共団体の公共施設等が個数として全体でどのぐらいあるのかということを明確にし、今後その公共施設が必要になるのかどうか、インフラを長寿命化にするのかどうかなどの内容を、施設毎に判断していくことになります。また、国としてこの公共施設等総合管理計画の策定支援として、平成26年度から3年間にわたり、計画策定の費用について特別交付税措置(措置率1/2)や計画に基づく公共施設等の除却について地方債の特例措置を設けています。これにより、公共施設の除却を考えている地方公共団体については、急務となっています。

公共施設等総合管理計画と新地方公会計制度
公共施設等総合管理計画については、固定資産台帳を用いなくてもできますが、今後の運用面などを考えると、新地方公会計制度により作成した固定資産台帳を基に、公共施設等総合管理計画の作成が必要になってくると思います。また、その固定資産台帳に施設毎の費用などの情報を加えることで、その公共施設のライフサイクルコストがわかり、必要性の判断が明確になることにつながります。

今後の方向性
総務省は新地方公会計制度について、システムの導入に関し、無償提供(国がソフト代金をまとめて支払う)を考えており、システムについては全自治体が統一されることが予想されます。そこで問題となるのが、システムを導入したが、自治体職員だけで財務諸表や固定資産台帳が作成できるかどうかというところです。
自治体によっては公会計に取り組む人数も限られ、また、発生複式簿記になれていないことや民間の企業会計の考え方がわからないなど、ほとんどの自治体では外部委託で協同して作成していくことになると思います。また、無償提供となるとソフトの完成度も問題視されてくると思いますので、今後の無償提供を含めどのように展開していくのかを注視していく必要があります。

今後の公会計の方向性など詳しい内容を聞いてみたいという自治体関係者の方は、コンパッソ税理士法人までご連絡ください。

川崎事務所 鈴木伸明

 

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