改正消費税の実務対策3

3回シリーズの最終回となります。前回・前々回に引き続き消費税の個別対応方式を適用する場合の用途区分について、主な検討事例について紹介いたします。

●課税区分の用途が決算期末まで未確定の場合
ケース5
賃貸用のマンションが決算月に完成し、実際に賃貸を開始するのは翌期からとなりますが、期末時点ではその用途を住宅用にするのか、事務所用にするのかが決定していません。
このような場合において個別対応方式を適用する場合、課税仕入れの用途区分はどのように考えればよいのでしょうか。

個別対応方式を適用する場合の課税仕入れの用途区分については、基本的には課税仕入れを行った時の状況によって判定されることになります。ただし、課税仕入れを行った日において、その用途区分が明らかになっていない場合については、その課税期間の末日(決算月の末日)において、その区分が明らかになった場合はその明らかになった課税区分によって、仕入れ税額控除を計算することが認められます。
課税仕入れを行った日と課税期間の末日のいずれにおいてもその用途が明らかになっていない場合は、「課税売上にのみ要するもの」や「非課税売上にのみ要するもの」のいずれにも該当しないため、「共通して要するもの」に区別されることになります。

●課税区分の用途が決算期末までに確定の場合
ケース6
上記の検討事例において、課税期間の末日までに居住用に賃貸することが確定した場合でも、課税仕入れを行った時点においては用途区分が未確定ということで「共通して要するもの」に区別することができるのでしょうか。

基本的には上述の通り、課税仕入れを行って時の現況ということになりますが、課税期間の末日において、居住用に賃貸することが確定した場合は、「非課税売上にのみ要するもの」ということになります。よって建物の引き渡しを受けた時において、用途が未定であるということが客観的に証明されない限り、「非課税売上にのみ要するもの」ということで個別対応方式を適用する場合には、仕入税額控除ができないことになります。

●申告期限までに用途が確定した場合
ケース7
上記の問題において消費税の確定申告期限までに全室貸事務所として賃貸することが確定した場合は、建物の用途区分については、課税期間末日までに用途が確定していないということで「共通して要するもの」に区別されるのでしょうか、それとも確定申告期限までに全室貸事務所ということで「課税売上にのみ要するもの」に区別できるのでしょうか。

課税売上にのみ要するもの」ということで問題ないと思われます。翌課税期間になってからの用途区分の確定となりますが、消費税の確定申告に間に合うようであれば、その確定した用途区分で個別対応方式を適用することが認められます。

出典:東京税理士会の研修資料

川崎事務所 鈴木伸明

 

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