損害保険と税金

 日常生活の中、病気・けが等のさまざまなリスクに備えるために損害保険があります。損害保険の商品は次のように分類されます。

 モノの損害に備える保険:『火災保険』『車両保険』等
 ヒトのけが等に備える保険:『傷害保険』等
 第三者に対する賠償責任に備える保険:『個人賠償責任保険』『対人・対物賠償保険』等
 第3分野保険等:『所得補償保険』『医療費用保険』『介護費用保険』等

 なお、法人の場合は上記の他、事故や第三者に対する損害賠償責任の発生等に備えるためPL保険等の各種賠償責任保険、労働災害総合
保険(上乗せ労災)、利益保険等があります。

1.保険料の支払と税金

(1)個 人

 地震保険と平成18年12月31日までに契約された長期契約の損害保険には生命保険料と同様に保険料の金額に応じて所得控除が認め
られています。

※長期契約とは保険(共済)期間が10年以上でかつ満期返戻金のある契約です。

 <地震保険料>
  5万円以下:支払金額  5万円超:5万円

 <旧長期損害保険料>
  1万円以下:支払金額
  1万円超2万円以下:支払金額÷2+5千円
  2万円超:1万5千円

 地震保険料、旧長期損害保険料それぞれの方法で計算した金額の合計額で最高5万円、1つの保険契約等に基づき地震保険料、旧長期
損害保険料両方を支払っている場合は選択によりいずれか一方の控除を受けられます。

(2)法 人

 事業のために支払う損害保険料は原則として損金算入出来ますが、積立型保険の積立部分は資産計上します。
 

(3)個人事業主

 事業のために支払う損害保険料は全額を必要経費として処理できますが、店舗併用住宅等の自宅部分の火災保険料や事業主本人の所得補償
保険等は必要経費とはなりません。

2.保険金と税金

(1)個 人

 保険金は損失の補填を目的とした実損払いのため原則非課税ですが、傷害保険の死亡保険金は生命保険契約のそれと同様に契約者、被保険
者、受取人の関係により所得税、相続税、贈与のいずれかが課税されます。

 .所得税が課税:契約者と死亡保険金の受取人が同一で被保険者が別人の場合
 .相続税が課税:契約者と被保険者が同一で死亡保険金の受取人が別人の場合
 .贈与税が課税:契約者と被保険者、保険金受取人がすべて異なる場合

 また、満期・解約返戻金や年金タイプの商品の場合も生命保険契約の満期保険金解約返戻金、年金受給と同じ扱いです。

(2)法 人

 原則として益金となり法人税の課税対象となりますが、前述の積立型保険の資産計上額は受取保険額より差し引くことができます。
 また、事業用固定資産である建物等の損害に対して受け取った保険金は益金に計上しますが、その損失額は損金に算入します。このとき
保険差益が発生した場合は法人税の課税対象となりますが、保険金により代替資産を取得する等、一定の要件に該当した場合は圧縮記帳が
認められます。

(3)個人事業主

 法人と同様の扱いですが、事業用固定資産の損害に対して支払われる保険金は保険差益部分も含めて非課税となります。なお、自己または
一定の親族を被保険者とする所得補償保険契約に基づき受け取った保険金も非課税となります(被保険者である従業員が支払を受ける保険金
も同様です。)。

 以上、保険料や保険金等について正しい処理を理解したうえで、保険を検討することが必要ではないでしょうか。ご不明な点は、当コンパッソ
税理士法人までお問い合わせ下さい。

川越事務所 古田 一成

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