戦略的ロゴマークの税務上の扱い

消費者の購買意欲を掻き立てる戦略の一つに「ブランド力」があります。みなさんも、「ブランド」と聞くと何点か思い浮かぶのではないでしょうか。
今回は、消費者に対し影響力があり知名度の高いブランドの1つである「ロゴマーク」の税務上の扱いについてご紹介します。

ロゴマークの制作にかかったデザイン料
1.支出の効果が1年以上の期間に及ぶもの
繰延資産として取り扱います。繰延資産はすでに対価の支払いが完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいいます。
定額法その他の合理的な方法により規則的に償却することが必要になります。(実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い)
繰延資産償却費は、計上額のうち償却限度額に達するまでの金額は損金の額に算入されます。税務上は任意償却が認められています。

2.1.以外のもの
経常費の性格をもつ開発費は、原則として、支出した事業年度に費用として処理します。(実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い)

制作したロゴマークを商標登録した場合
税務上「商標権」として取り扱います。
知的財産権のうち、商標登録にもとづく商標権は産業財産権の一種であり、特許庁が所管しています。産業財産権制度は、新しい技術、新しいデザイン、ネーミングなどについて独占権を与え、模倣防止のために保護し、研究開発へのインセンティブを付与したり、取引上の信用を維持することによって、産業の発展を図ることを目的としています。これらの権利は、特許庁に出願し登録されることによって、一定期間、独占的に使用できる権利となります。このため、その制作にかかったデザイン料は支出時の損金ではなく、商標権の取得価額として資産計上し、耐用年数10年で償却していくことになります。
なお、商標権として登録するための諸費用については、任意の処理が認められております。つまり、商標権の取得価額に含めても構わないですし、取得価額に算入せずに支出時の損金とすることも可能です。

更新登録のための諸費用
商標権の存続期間は、設定登録の日から10年で終了します。ただし、商標は、事業者の営業活動によって蓄積され信用を保護することを目的としていますので、必要な場合には、存続期間の更新登録の申請によって10年の存続期間を何度でも更新することができます。
更新登録のための諸費用は他から取得して登録するためのものではないため、支出時の損金算入が認められています。

ロゴマーク」は、単なるマークではありません。専門家による「ロゴマーク」のデザインは、企業イメージや購買意欲の向上、連想力、記憶の埋め込みなどさまざまな要素を一般消費者や取引先に働きかける企業戦略のツールの一つです。そのため、「ロゴマーク」の制作にかかった費用の税務上の取り扱いには、上記の通り少し注意が必要です。
税務上の扱い等でご相談がございましたら、コンパッソまでお気軽にお問い合わせ下さい。

出典:納税通信 第3246号
    特許庁HP

渋谷事務所 佐藤郁子

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。