従業員持株会について

 この度の東日本大震災にて被災された皆様に心よりお見舞いを申しあげます。1日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。

 オーナー経営者にとっては、後継者問題、相続税問題など事業承継問題は避けることができない大きな課題です。事業承継問題を考えるにあたり、従業員持株会を創設することも一つの手法としてあげられます。簡単にですが、従業員持株会の概要とメリット・デメリット、注意点等について触れてみたいと思います。

従業員持株会を創設する目的
1.オーナー経営者の持株を従業員持ち株会に提供することにより、相続財産である株式の評価が下がり、相続税対策を図ることができます。
2・従業員等に株式を持たせることにより、株式の社外流出を防止できます。
3・従業員は配当収入を得ることにより、財産形成を図ることが可能となります。

従業員持株会の運営について
1.従業員持株会の発起人(理事長1名、理事、監事)を選任します。
2・会員名簿を管理し、入退会の処理などの事務管理方法を決めます。
3.従業員持株会の規約を作成致します。

メリットについて
・従業員が経営へ参加することにより、モチベーションが向上できます。
・従業員は配当収入により、財産形成を図ることができます。
・奨励金を支給することにより、従業員の福利厚生面の支援が可能となります。

デメリットについて
・会社の業績低迷により従業員の不信感を招くことがあります。
・持株会の退会等が、続くことにより、持株会を維持することができなくなります。
・株式を売却できる市場がないため、換金性に乏しいです。

注意点について
従業員持株会を立ち上げても、設立と運営の方法を誤ると、後日従業員との間でトラブルが起き、訴訟に至るケースもあります。トラブルを防ぐためにも、従業員持株会の規約の作成は一番大事な作業となります。
トラブルが多いのは、従業員からの買取価額について問題が多く生じます。
買取価格を配当還元価額とするなど規約に明記することが重要となります。

種類株式の導入の検討について
従業員持株会に提供する株式について、配当優先株式や議決権制限株式にするなど種類株式を導入することにより、経営権に影響がでないような検討をすることも大事です。

 参考文献
髯 正博 「事業承継・自社株対策の実践と手法」 日本法令
折口 晴一・斎藤 孝一 「事業承継に活かす従業員持株会の法務・税務」 中央経済社
 

渋谷事務所 瀧本良枝
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