平成24年度税制改正大綱(所得税3)

前回に引き続きまして、平成24年度税制改正大綱の所得税のうち「退職所得控除の見直し」についてご説明します。(下記の内容は税制改正大綱の段階であり、改正が決定したわけではありませんのでご注意下さい。)

<改正の背景>
退職所得の計算方式は、退職所得が長期間にわたる勤務の対価としての給料の後払い的性格があることや、退職後の生活保障的な所得であること等を考慮して、退職所得控除額を控除した残額の2分の1を所得金額としています(2分の1課税)。
この2分の1課税は所得が増えれば増えるほど税率が高くなるという所得税の累進課税を緩和するための措置(累進緩和措置)ですが、この2分の1課税を前提に短期間のみ在職することが当初から予定されている法人役員等が、給与の受け取りを繰り延べて高額な退職金を受け取ることにより税負担を回避するというケースが見受けられます。
このように、法人役員が短期で退職慰労金を受け取る場合、累進緩和措置の対象とする合理性が乏しいため今回の改正となりました。

退職所得の計算方式
  (収入金額-退職所得控除(※1))×1/2=退職所得の金額
  退職所得の金額×所得税の税率=所得税額

(※1)勤続年数20年まで   1年につき40万円
    勤続年数20年超の部分 1年につき70万円

<改正の内容>

1.内容
勤続5年以内の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止

2.対象
役員等とは、
(1)法人税法第2条第15号に規定する役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、清算人など)
(2)国会議員及び地方議会議員
(3)国家公務員及び地方公務員

3.適用開始時期
所得税は平成25年分以後について、個人住民税は平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用されます。

参考文献:財務省『平成24年度税制改正大綱』

千葉流山事務所 金子真奈美

 

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