平成22年分確定申告~必要経費について~

 今年も確定申告の時期がやってきました。今回は、不動産所得や事業所得の必要経費についてご説明したいと思います。

○必要経費とは

 まず、必要経費とは何かの確認です。不動産所得や事業所得は、その年の不動産や事業から得た収入金額から、その収入を得るために要した費用(経費)を控除して所得金額を計算します。必要経費とは、この収入を得るために要した費用(経費)のことを指します。
 所得税法では必要経費は以下のように定められています。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
簡単に言ってしまうと、必要経費とは仕事を遂行するために直接必要な費用となります。

○必要経費として認められる時期

 必要経費となる金額は、その年において債務の確定している金額です。そのため、その年に支払った場合であっても、その年に債務が確定していなければその年の必要経費になりません。また、その年に支払っていない場合であっても、その年に債務が確定しているものはその年の必要経費になります。この場合のその年において債務が確定しているとは、次の三つの要件をすべて満たす場合をいいます。
(1)その年の12月31日までに債務が成立していること
(2)その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3)その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。

○必要経費に関する注意事項

 必要経費に関して一番注意すべき点は、ある一つの支出が業務に関する経費と個人の生活に関する費用の両方に関わりがある費用(これを家事関連費といいます)の取扱いです。具体例を挙げると、水道光熱費や家賃、交際費などがこれに該当します。
この家事関連費のうち必要経費となる金額は次の金額となります。
(1)主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、業務に必要である部分を明らかに区分することができる場合のその区分できる金額
(2)青色申告者で取引の記録などに基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分することができる場合のその区分できる金額

 例えば携帯電話代を例に考えてみます。仮に個人事業を営むAさんのその年の携帯電話代(Aさんは携帯電話を一台しか所有していないとする)が24万円だとします。必要経費として24万円全額が認められるでしょうか?答えはかなり難しいでしょう。24万円のうちには業務で使用した分とAさんの家族・友人と通話した分もあるはずです。必要経費として認められるのは24万円のうち、業務上使用した部分の金額のみとなります。
 携帯電話等は、プライベート用の端末と業務用の端末を分けるなどの対策をして必要経費を把握するのが一番だといえます。

○必要経費になるもの・ならないもの

 以下は、必要経費となるものとならないものの一例です。
・生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃 → 必要経費とならない
・生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除く) → 必要経費とならない
(注)青色申告者でない人についての事業専従者控除の金額が必要経費とみなされる
・ 業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金利息 → 必要経費となる
・ 事業税、消費税、固定資産税 → 必要経費となる  (注)固定資産税は業務用の部分に限る
・ 所得税、住民税 → 必要経費とならない
・ 罰金、科料及び過料 → 必要経費とならない

 必要経費は所得を減少させる要因であるので、事業者としてはできるだけ多くの必要経費控除を受けたいと思うのは当然ではありますが、適正な申告のためにも今一度、必要経費について確認する必要があるでしょう。

参考文献 国税庁ホームページ
                         

千葉流山事務所  川手 啓喜
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