平成30年度税制改正大綱 ―資産課税編その1 事業承継税制の特例の創設等―

 平成30年3月28日、平成30年度税制改正関連法案が国会にて可決成立しました。その中で、高齢化が進む中小企業経営者の円滑な代替わりを促進するため、事業承継税制(非上場株式の納税猶予制度)について、10年間の特例措置として、各種要件の緩和等抜本的な拡充がなされました。

 具体的には、施行日後5年以内に承継計画を作成し、贈与・相続による事業承継を行う場合、要件拡充のポイントは主に以下の4点です

①承継株式にかかる税の負担軽減がされます。現行法では、発行済議決権株式の3分の2を対象に、納税猶予割合80%の制限がありましたが、改正後はこの制限が撤廃され、すべての自社株を対象に100%納税が猶予されます。 

②納税猶予の対象が拡大されます。現行法では、先代経営者1人から後継者1人に対する承継に限られていましたが、改正後は、先代経営者以外の株主からの贈与・相続も対象となり、また、複数人(最大3人)への承継も猶予対象となります。

③雇用確保要件が弾力化されます。現行法では、承継時の雇用者数を5年間平均で8割維持しなければ納税猶予は打ち切られました。しかし、改正後は、仮に雇用確保要件を満たせない場合でも条件によって、納税猶予を継続できるようになります。

④会社を譲渡・解散する場合の税負担の軽減です。現行法では、仮に経営悪化のため会社を解散するような場合、猶予された税金を全額納付しなければなりませんでしたが、改正後は、解散時の株価で納税額を再計算して、減免を受けることが可能になります。

 なお、上記改正は、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に贈与等により取得する財産に係る贈与税又は相続税について適用されます。

 ご不明な点は、コンパッソ税理士法人までお問い合わせください。

参考文献(週刊税務通信、日本経済新聞)

                                                高田馬場事務所 加藤紳一郎

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