平成26年度税制改正大綱 主なポイント その2

前回に引き続きまして、平成26年度税制改正大綱の主なポイントをお伝えします。
第2回目の今回は、一般個人向けの税制改正の内容をご紹介します。

給与所得控除の見直し
平成28年より給与等収入金額が1,200万円を超える場合の給与所得控除額の上限を230万円までとし、平成29年より給与等収入金額が1,000万円を超える場合の給与所得控除の上限を220万円となります。

相続財産に係る譲渡所得の課税の特例について
相続財産である土地等を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額について、その者が相続した全ての土地等に対応する相続税相当額から、その譲渡をした土地等に対応する相続税相当額に変更されます。この規定は平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用されます。

ゴルフ会員権等の譲渡損失についての損益通算の見直し
譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない資産の範囲の定義として「生活に通常必要でない」となっていますが、その資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(例えばゴルフ会員権など)が加えられます。
この改正は平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用されます。

自動車取得税
消費税8%引き上げ時に、平成22年度燃費基準を満たしている自動車等の取得に係る税率を引き下げます。
  自家用自動車は5%→3%
  営業用自動車及び軽自動車は3%→2%
平成26年度までの措置であるエコカー減税について軽減率を拡充します(平成27年度税制改正で基準の切り替えなどを検討)。
また、消費税10%引き上げ時に自動車取得税は廃止となります。

自動車税
期限切れを迎える「グリーン化特例」を2年間延長し、対象車種の拡充などがあります。

軽自動車税
平成27年度以降に新たに取得される四輪車等の税率を引き上げます。
  自家用乗用車は1.5倍
  それ以外は約1.25倍
二輪車等についても約1.5倍引き上げます(2000円未満の場合は2000円まで引き上げ)。
また、最初の新規検査から13年を経過した四輪車等については、平成28年度から約20%の重課を行うことになります。

既存建築物の耐震改修投資の促進のための税制措置の創設
耐震改修対象建築物につき平成27年3月31日までに建築物の耐震改修の促進に関する法律の規定による耐震診断結果の報告を行ったものが、平成26年4月1日以降からその報告を行った日以後5年を経過する日までの間に耐震改修等を行った場合には、その価額の25%の特別償却ができることになります(所得税も同様)。
また、固定資産税の減額措置として、一定の証明書を添付して、改修後3ヶ月以内に市町村に申告した場合、翌年度から2年度分の当該家屋に係る固定資産税について1/2に相当する金額を減額することになります(ただし工事費の2.5%に相当する金額を超える場合は2.5%)。

企業型確定拠出年金の拠出限度額引き上げ
企業型確定拠出年金の拠出限度額について、次のとおり引き上げます。

公的年金等に係る確定申告不要制度等について
公的年金等に係る確定申告不要制度について、源泉徴収の対象とならない公的年金等の支給を受ける者は同制度を適用できないことになります。この改正は平成27年分以後の所得税について適用することになります。

2以上の居住者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当する者をいずれの居住者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当するかの判定の基礎となる申告書等の範囲に、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を加えられます。
この改正は平成26年分以後の所得税について適用することになります。

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置及び特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続税精算課税の特例
適用対象となる既存住宅用家屋の範囲に、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準に適合しない既存住宅を取得した場合において、その既存住宅の取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、その者の居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たす既存住宅用家屋を加えることになります。

固定資産税・都市計画税、不動産取得税、事業所税の非課税措置の拡充
1.認定こども園の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税、不動産取得税、事業所税について、非課税とする措置を講じます。

2.小規模保育事業の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税、不動産取得税、事業所税について、非課税とする措置を講じます。

3.社会福祉事業の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税、不動産取得税、事業所税の非課税措置について、対象に
  病児保育事業及び子育て援助活動支援事業の用に供する固定資産を加えるなどとなります。

みなし相続財産
次に掲げる一時金等について、相続税法上のみなし相続財産(退職手当金等に含まれる給付)として相続税の課税対象とするとともに、法定相続人1人当たり500万円までの非課税制度の対象とします。
1.小規模企業共済制度の加入対象者に追加される小規模企業者の死亡に伴い支給を受ける一時金

2.国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済に創設される退職等年金給付のうち、共済組合員等の死亡に伴い遺族が支給を
  受ける一時金等

固定資産評価基準の見直し
固定資産評価基準における鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造のホテル・旅館の用に供する家屋に係る経過年数を45年(現行50年)に短縮し、平成27年度の評価替えから適用することになります。

輸入品の税率変更
1.入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例措置について、ウイスキー及びブランデーに係る特例税率を1キロリットル
  につき600,000円
(現行500,000円)に引き上げたうえ、その適用期限を1年延長します。

2.入国者が輸入する紙巻たばこのたばこ税の税率の特例措置について、特例税率を1,000本につき11,000円
  (現行10,500円)に引き上げた上、その適用期限を1年延長します。

消費税軽減税率
消費税10%時に軽減税率を導入します。対象品目の選定などは平成26年12月までに結論を得て、与党税制改正大綱により決定することになります。

今回の改正内容で最大注目ポイントは給与所得控除の見直しとなります。消費税増税に伴う低所得者との税負担のバランスを取るために高所得者に負担を求める形となります。また、今後の検討事項としては、法人税と所得税の税率のバランスがどのようになっていくのかということや、今回の税制改正でも多く盛り込まれていた国際税制とのからみについても今後注目すべき点になってくるものと思います。
今回の税制改正大綱で何か不明点等ございましたら、コンパッソ税理士法人までお気軽にお問合せ下さい。

出典:平成26年度税制改正大綱 平成25年12月12日自民党・公明党

川崎事務所 塩崎優美子

 

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