小規模企業共済のメリット・デメリット

平成28年4月1日に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律」が施行されたことに伴い、小規模企業共済制度についても改正がなされ、契約者貸付の上限の引き上げ、掛金月額の減額手続きの簡素化など、小規模事業者にとって従来よりも利用し易い制度となりました。そこで今回は、小規模企業共済制度の内容とそのメリットやデメリットについてご紹介したいと思います。

内容
小規模企業共済制度は、中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業の経営者のための退職金共済制度であり、現在、約125万人の方が加入しています。
加入資格は、常時使用する従業員が20人(サービス業等では5人)以下の個人事業主その経営に携わる共同経営者会社等の役員等が対象となります。
加入者は、月額1,000円~70,000円までの間で共済掛金を払い込むことができ、事業を廃止した際や、役員を辞任した際には、その払込金額や契約期間等に応じて、一定額の共済金を受け取ることができます(また、小規模企業共済を任意で解約することで、一定の解約手当金を受け取ることも可能です)。

メリット
1.払い込んだ共済掛金は、その全額が所得税法上の所得税額控除の対象となりますので、所得の高い人ほど、節税効果が大きくなります。例えば、課税所得金額が500万円の人が、月額5万円(年額60万円)の払込みをしている場合の税負担の減少は・・・
    (1)所得税・・・60万円×所得税率20.42%(復興税含む)=122,520円の所得税負担が減少
    (2)住民税・・・60万円×10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)=60,000円の住民税負担が減少
所得税と住民税合わせて1年あたり182,520円の税負担が減少となります。

2.共済掛金は、国が100%出資している機関であり、また、予定利率1%で運用されるため、金融商品の利回りが低下している近年の経済状況のもとでは、安定した利回りが期待できる貯蓄方法でもあります。契約期間等にもよりますが、最高で払込金額の120%相当の共済金を受けとることも可能です。

3.共済契約者が亡くなったことにより、遺族が共済金を受け取る場合には、その共済金はみなし相続財産となり、相続税の課税対象となりますが、共済金については、退職手当金として、法定相続人×500万円の部分については相続税が非課税となります。

4.共済金を受け取る場合には、退職所得扱いとなる一時金方式と、公的年金の雑所得扱いとなる年金方式がありますが、いずれについても受取時の税負担は低くなります。

デメリット
1.任意解約したとしても、一定額の解約手当金を受け取ることができますが、契約期間が20年に満たない場合には、解約手当金は払込掛金を下回ってしまいます。

2.事業経営が悪化した際などには、一定の要件のもと、掛金の減額を行うことができますが、減額した場合には、その減額部分については、小規模企業共済の運用の対象となりません。

以上が、小規模企業共済の簡単なご紹介となります。小規模企業共済制度の加入にあたっては、注意すべき点がいくつかありますが、加入するメリットは非常に大きい制度であるため、まだ未加入の状態であり、資金的に余裕のある事業者の方については、是非加入を検討してみてはいかがでしょうか。
小規模企業共済制度について、ご不明点等ございましたら、コンパッソ税理士法人までお問い合わせ下さい。

出典:小規模企業共済HP

渋谷事務所 河西聡

  

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