
学校法人が設置する認可保育所の会計処理について
幼稚園と保育所の長所を活かし、その両者の役割を果たすことのできる新しい仕組みを創設するという観点から、「就業前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(平成18年法律第77号)である「就業前保育等推進法」が、平成18年10月1日に施行され、認定こども園制度がスタートしました。
前回のブログ「幼保一体化を考える」(2012年2月20日付)で、認定こども園制度についてご説明しましたが、今回は学校法人が設置する認可保育所の会計処理について触れたいと思います。
学校法人が保育所を運営又は社会福祉法人が幼稚園を運営する場合において、双方の会計基準による会計処理及び計算書類の作成が求められました。
このことが、認定こども園制度の普及を妨げる要因であったため会計処理等の簡易化が検討されてきました。
その結果 社会福祉法人は社会福祉法人会計基準に、学校法人は学校法人会計基準に基づいた計算書類に代えることができることになりました。
これにより、社会福祉法人および学校法人による認定こども園の設置が進むことが望まれます。
下記に、学校法人会計基準に基づいた資金収支計算分析表について記載しますので、ご参考にして下さい。
<参考>
資金収支計算分析表は下記の4項目に区分されます。
1.保育所運営費等資金収支
収入 (1)保育所運営費収入(人件費・管理費・事業費)
(2)保育料収入
(3)人件費積立預金取崩収入等 (種類ごとに記載)
(4)保育所運営費収入のうち民改費加算分
(5)経費に係る積立預金取崩収入
(6)○○経理区分からの繰入
支出 (7)人件費支出
(8)事務費支出
(9)事業費支出
(10)人件費積立預金積立支出等 (種類ごとに記載)
(11)租税公課
(12)○○経理区分からの支出
保育所運営費等資金収支差額
2.積立預金の目的外使用
取崩した積立預金・目的外使用した科目・金額を記載
3.経常活動資金収支差額
4.前期末支払資金残高
当期資金収支差額(1)
前期末支払資金残高(2)
当期末支払資金残高(1)+(2)
出典:日本公認会計士協会 『学校法人の設置する認可保育所に係る会計処理に関するQ&A』