国際結婚と相続

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日本では夫婦どちらか一方が外国人という国際結婚は、2006年に全体の6%を占めていました。結婚の16組に1組が国際結婚ということになります。
1960年代からは約9倍となりました。特に東京や大阪などの大都市では10組に1組と、もはや珍しくはないとされます(厚生労働省より)。東北地方では、世に言う「嫁不足」解消のため仲介業者が間に入って外国人女性と結婚する男性が比較的多いとされます。
年齢差があり、男性が先立つケースも多く、相続問題に直面する人は少なくないといわれます。お金が絡むこともあって口外しづらいこともあり、きちんと把握されていないのが現状です。

国際結婚した夫婦間の遺産相続については、統一された国際法はなく、日本の法律では「相続は被相続人の本国法による」(通則法36条)と記載されています。
相手国の本国法に「相続は居住地の法律に従う」とあれば、日本の法律に従って手続きが進みます。逆にそうでなければ、各国が個別に定めている法律や基準で分割されることになります。

国際結婚での遺産分割や相続に関する基本的な考え方は、国によって異なりますが、大きくは、

1.包括承継主義(日本・ドイツ・イタリアが代表例)
2.管理清算主義(アメリカ・イギリスが代表例)

の二者に分けられます。

包括承継主義」は、被相続人の権利義務が相続準拠法により包括的に処理され、相続人は限定的な承認・相続放棄の選択が可能とされます。
管理清算主義」は、相続財産は遺産管理人又は遺言執行人に帰属した後、清算されます。プラスの財産が残ると相続人が承継し、マイナスの財産は相続されません。

さらに、各国の国際私法には適用される法律が、

1.相続統一主義(居住地法:スイス・デンマークなど北欧諸国、本国法:日本・ドイツ・イタリア・韓国が代表例)
2.相続分割主義(アメリカ・イギリス・フランス・中国が代表例)

の二者に分けられます。

相続統一主義」では、動産・不動産を区別せず全て被相続人に関係の深い国の法律により、居住地法によるものと本国法によるものとに二分されます。
相続分割主義」では、不動産は不動産が所在する国の法律を、動産は被相続人が住んでいた国の法律によるとされます。

<トラブルになる前に>
国際結婚による相続においては、上記のとおり4つの主義と各国法律の組み合わせで、複雑な法律問題に展開することが多いとされます。
配偶者が亡くなったあとの生活を想定することは不謹慎だと考える人もあるでしょうが、事前に準備することで、国際結婚はより安定したものになるのではないでしょうか。相続など国際結婚にまつわる法律問題には、各地の国際交流協会にも窓口が用意されています。

国際結婚では、
   ・相続は日本の常識はまったく通用しない
   ・結婚と同時に相手国の相続関連の法律を調べる
   ・トラブルになったら現地の専門家などに依頼を

という点を頭に置いておいて下さい。

※法律は毎年変更されます。必ず各国大使館にご確認ください。

出典:「週間東洋経済6341号 P.72-73」

渋谷事務所 小林雅

 

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