各税法における生命保険契約の取扱い

 近年、生命保険等も多種多様化しどの保険が一番いいのか選定するのが難しくなっています。
 生命保険と言えば真っ先に浮かぶのが死亡保険、医療保険、個人年金保険等でしょう。その他にもがん保険や三大疾病、重大疾病、介護保険、所得補償保険、養老保険など様々なものがあります。最近ですとこれらの保険でも円建てや外貨建てなど商品が複雑になっています。
 保険を検討する際にはまず加入する目的をしっかりと定めることが必要です。
保障を目的とするのか、節税対策なのか、将来の金融資産とするのか・・・。この目的を混在してしまい、目的通りの活用が困難になる場合が多く見受けられます。

 そこで今回は各税法における生命保険の活用方法などを一部ご紹介したいと思います。
1.法人税における活用方法
 まず挙げられるものは経営者等の死亡リスクに備えるための活用方法です。支払保険料が全額損金算入のものや2分の1損金算入(3分の1等)、全額資産計上などがあります。
 その他将来の修繕や退職金の準備の為に解約返戻金があり返戻率が高いものを選択し、準備することもありますが、この場合は全額損金算入より2分の1損金算入のものが一般的です。支払保険料のうち、損金になる金額は少ないですが解約時の返戻金額が高額になります。
 金融機関からの借入金を担保することを目的とし、借入金の減少に併せて保険金額が減少する逓減保険などもあります。万が一の備えとして借入金に対応するものとして保険の種類は問わずに準備することが必要不可欠であります。
 被保険者は代表者や役員のみならず従業員の方を対象とすることにより幅の広い活用方法が選べます。

2.所得税法における活用方法
 所得税の場合は、年末調整や確定申告で所得控除(生命保険料控除)を適用することができます。ただし所得税の場合は、控除額に限度があります。限度額については下記に国税庁より抜粋したものを記載いたします。
 個人事業主の方の場合ですと、従業員の方を被保険者、契約者及び保険金受取人が事業主である保険については従業員全員が加入することによって、事業の必要経費となる場合があります。

生命保険料控除の限度額計算

 

3.相続税における活用方法
 相続税の活用方法としては生命保険金の非課税限度額を用いたものが一般的です。  被相続人の死亡によって取得した生命保険等「法定相続人の数×500万円」までは非課税になるものです。一般的な家庭で相続人が配偶者、長男、長女の場合は相続人の数が3名ですので1500万円までが非課税になります。
 生命保険金は受取人を指定しますので他の財産に比べスムーズに相続させたい方に保険金を相続させることが可能になります。この生命保険金は遺留分の計算においても原則は対象としないメリットもあります。
 生命保険に加入していない方で預金を多く保有している方は非課税限度額の活用をご検討下さい。一時払い終身保険もご検討下さい。
 相続対策の場合には、贈与を活用することも多いです。現金を贈与する場合はその後の使途は制限できませんので、贈与する方のお思いとは違った用途に使用されることがあります。そのような場合には生命保険の保険料を贈与するといった活用もあります。
 保険料の贈与とは、保険料の支払は贈与者がするという内容になりますが、この場合は単純に保険料分を贈与するのか、はたまた保険の契約者を贈与者にするのかなど慎重に検討することが必要です。

 簡単ではございますが生命保険の活用方法を一部ご紹介いたしました。最後に下記に死亡保険金や満期保険金の課税関係を記載致しますので参考にしていただければ幸いです。

ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。

東京練馬事務所 伴 長憲

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