
共通番号制度法案(マイナンバー法案)
去る2月14日、政府は納税記録や社会保障情報を管理するために、「社会保障・税共通番号制」に係る法律(正式名称「 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、略称「 マイナンバー法」)案を閣議決定し、国会に提出しました。
今回は、その「共通番号制度法案(マイナンバー法案)」について触れてみたいと思います。
<利用範囲>
主な利用範囲は社会保障分野、税分野、防災分野に区分されます。
<社会保障分野>
1.年金分野 年金の取得・確認、給付を受けるために利用します。
2.労働分野 雇用保険等の資格取得・確認、給付を受けるために利用します。
3.福祉・医療・その他の分野 医療保険等の保険料の徴収等、福祉分野の給付の事務等に利用します。
<税分野>
国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載し、内部事務等に利用します。
<防災分野>
被災者生活再建支援金の支給に関する事務その他に利用します。
<時期>
2014年中に番号の交付を行い、2015年1月からの利用開始を目指します。
<個人情報保護>
個人情報の漏洩防止のため、内閣府に情報の取り扱いを監視する第三者機関「個人情報保護委員会」を設置します。同委員会は公正取引委員会などと同様、他の行政機関から独立した国家行政組織法上の「三条委員会」となります。
※三条委員会 国家行政組織法第3条に基づいて設置される行政委員会。
国家公安委員会・公正取引委員会・中央労働委員会・運輸安全委員会・公安審査委員会・公害等調整委員会がある。
以上が法案の概要ですが、過去に国民総背番号(かつて佐藤内閣時代に各省庁統一個人コード連絡研究会議を設置し、導入を目指した)が頓挫した経緯もあり、現在の住民基本台帳カード・基本年金番号・健康保険被保険者番号・パスポート・運転免許証番号・納税者番号等各行政機関が発行している個別の番号との調整が、縦割り行政の中でどのような結論が出るか注目するところです。
出典:日本医事新報No.4583