公益法人移行申請期限余すところ“あと1年半”

かつて所得高水準が世界2位となった日本ですが、本年5月16日、世界保健機関(WHO)が発表した2010年の一人当たりの国民総所得(GNI)は、34,640ドル(約277万円)で15位となったと報道されました。
(最も高い国はルクセンブルクで、61,790ドル(約494万円)でした。)

話は変わりますが、公益法人改革があと1年半でゴールを迎えます。移行期間である5年間を経過して、来年平成25年11月末には移行のための申請期限を迎えます。

略称「公益認定法」の第1条にこの制度改革の趣旨が次のように書かれています。
この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。

これの意味するところは次のように理解されます。
日本経済は低迷し、財政運営は大きく傷ついている。今まで通り公益事業のすべてを税収で賄うことは不可能だ。一方で、日本は緊縮社会、格差社会、といわれるような無情社会を迎えるのではないかと予測されている。このような予測される社会をチェンジしていかなければならない。安定していて、われわれ人間が生きやすく元気の出る社会構造を再構築しなければならない。
日本社会のひずみを是正し、社会活性化のために公益法人制度の見直しを行い、併せて個人も民間企業も留保されている資金を税金以外にも社会に拠出し易い制度を作るべく、公益法人側では法人税原則非課税、公益法人に寄付する者には寄付金優遇税制などの制度設計がなされました。

ここで公益法人に対する寄付金優遇策についてご説明します。

公益法人に対する寄付金優遇策
1.法人の場合(株式会社のような普通法人など)
次に掲げる金額の合計額の2分の1に相当する金額以内の金額は、一般の寄附金とは別枠で損金の額に算入されます。
イ その事業年度終了の時における資本金等の額(零に満たない場合は零とします。)の1000分の2.5に相当する金額
ロ その事業年度の所得の金額の100分の5に相当する金額

2.個人の場合
支払った年分の所得控除として(1)の寄付金控除の適用を受けるか、又は(2)の算式で計算した金額(その年分の所得税額の25%相当額を限度とします。)について税額控除の適用を受けるか、いずれか有利な方を選択することができます。
(1)所得控除 
次のいずれか低い金額-2千円=寄付金控除額
  イ その年に支出した特定寄付金の額の合計額
  ロ その年の総所得金額の40%相当額
2.税額控除

(注3)「その年中に支払った公益社団法人等に対する寄附金の額の合計額」については、その年分の総所得金額等の40%相当額が限度とされます。
(注4)税額控除限度額(所得税の25%相当額)は、認定NPO法人寄付金特別控除の額と合わせて判定します。

移行申請書の書き方が大変難しいというお声をよくお聞きします。しかし、筆者が内閣府公益認定委員会の相談班に2年間勤務した経験によれば、確かに簡単なことではありませんが、ご自分の法人が主とする公益事業の展開の方向性及びそのための組織体制の見直しなどを的確に図れば、その困難性は自ずと打破できます。
財政難に陥った日本社会では、これからは行政ですべての公益事業をまかなうことは不可能になってきました。そこで先ず、国民の一人一人が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が将来の日本のために重要となっています。
無償の愛という資金が、智慧が、汗(行為)が社会の歪みを直し活力ある社会を実現します。

往年の名女優であって、1989年の女優引退後に、国際連合児童基金(ユニセフ)のユニセフ親善大使に就任したオードリー・ヘップバーン(1929年5月5日 – 1993年1月20日)の言葉です。

忘れないでください。
年をとったら自分に二つの手があるということを。
一つは自分を助ける手。
そして、もう一つは他人を助ける手。

川越事務所長 児島昭英

 

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