個人事業廃止後に貸倒れが発生した時の処理は?

 個人で事業(商売)を始めるときは、税務署にいつからどこで事業を始めますと記載した「開業届」を提出します。そして年月が経ち、高齢になり後継者もいないからと店を畳むときは、いつからどこで始めた事業をいつでやめますと記載した「廃業届」を税務署に提出すればその記載した日にちで廃業となります。そしてそのやめるときに売掛金が全て回収されていればいいのですが、「まあ回収できるだろう」と未回収のままやめてしまい、その後回収できなくなった場合の損失いわゆる貸倒損失はどう処理されるのでしょうか。

 所得税法63条には「不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、その事業に係る費用又は損失の金額が生じた場合には、その金額は政令の定めるところにより、廃止年分(廃止年に総収入金額(売上等)がなかった場合には、総収入金額があった最近の年)又は、その前年分のこれらの所得の金額の計算上、必要経費に算入する」とあります。

ポイントは、
事業的規模以外の不動産所得及び山林所得には適用がない。
1、 発生年分ではなく事業廃止年分に遡及して必要経費に算入する。
2、 その損失が申告した後に生じた場合には、その損失が生じた日の翌月から2ヶ月以内更正の請求をすることにより適用される。
3、 必要経費に算入できるのは、廃止年分とその前年分まで
となります。

 仮に損失の金額が多額で廃止年分とその前年分の必要経費に算入してまだ算入しきれない金額がある場合は切捨てられるのでご注意ください。

 さらに、消費税の課税事業者であった場合には、貸倒損失の発生による消費税法に規定されている「貸倒れに係る消費税額の控除等」の適用はありませんのでさらに注意が必要です。

 詳細につきましては、コンパッソ税理士法人までお気軽にお問い合わせ下さい。

東京練馬事務所 寺田 知己


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