
会社の福利厚生 その1
会社の福利厚生の充実は、社員のモチベーションアップにつながります。今回から3回にわたり、役員・従業員への福利厚生を充実させ、かつ、節税対策にもなる方法とその注意点についてご紹介致します。
<昼食代を会社が負担する方法>
役員・従業員の昼食代は、以下の2つの要件を満たせば、会社の経費として処理することができます。
1.役員や従業員が食事の価額の半分以上を負担していること
2.次の金額が1か月あたり3,500円(税抜)/人以下であること
(食事の価額)-(役員や従業員が負担している金額)
つまり、役員や従業員の給与から食事代の半分以上を徴収していれば、一人あたり3,500円(税込3,780円)まで会社の経費にすることができます。
■具体例
(1)会社名義で仕出し弁当などを取り寄せ、会社が業者に10,800円支払い、役員・従業員へ提供する。その後、役員・従業員から7,020円を徴収する。
(2)食券(食事に引き換えられるものに限る)を会社で購入し、一人8,000円分渡す。その後、役員・従業員から4,500円を徴収する。
(3)会社で食事の材料費を7,560円分購入し、料理を作って役員・従業員へ提供する。その後、役員・従業員から3,780円を徴収する。
■注意点
会社が食事を提供すことが前提であるため、例えば、「食事手当」等の名目で現金で3,500円を支給した場合には、役員・従業員の給与とみなされ、
所得税の対象になります。また、一人あたりの負担額が3,500円(税込3,780円)を超える場合には、会社負担額の全額が役員・従業員の給与と
みなされ、所得税の対象になりますのでご注意下さい。
なお、社内の会議等に際して供与されるお弁当などの昼食代は、会議費のため所得税の対象にはなりません。
<残業食事代を負担する方法>
残業又は宿日直などで、通常の勤務時間を超えて勤務する従業員に対して食事を提供する場合、その食事代は会社の経費として処理することができます。なお、食事そのものを提供する場合に限り、金額の制限はありません。
■具体例
(1)会社にお弁当や出前を配達してもらい提供する。
(2)従業員に自分で食事を買ってきてもらい、その後会社の経費として精算する。
(3)食材を買ってきて、調理して提供する。
■注意点
昼食代は、役員と従業員に共通して活用することができますが、残業食事代については従業員のみ(役員は労働時間が定まっていないため残業自体が
ない)にしか活用できません。また、現金で食事代を支給した場合(ただし、深夜勤務者に夜食の支給ができないために、1食あたり300円(税抜)
以下の現金を支給した場合を除く)には、給与とみなされ所得税の対象になりますのでご注意下さい。
次回に続きます。
出典:国税庁HP