
事業承継税制 ~納税猶予を受けるための手続き~
平成30年税制改正で、非上場株式の事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制について、猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度ができました。
平成30年4月1日から5年以内に特例承認計画を提出し、平成30年1月1日から10年以内に実際に贈与・相続で承継を行う者を対象として納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が免除されます。
中小企業経営者の大きな悩みであった次世代への引継ぎがこの制度の利用により、解決されます。
最近、この手続きについて詳細が公表されています。
納税猶予を受けるためには「都道府県知事の認定」「税務署への申告」の手続きが必要となります。
贈与の場合の手続きは次のとおりです。
1.特例承認計画の策定
提出先 都道府県庁(主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁)
会社の後継者や承継時までの経営見通し等を記載した「特例承継計画」を策定し、
認定支援機関(※)の所見を記載のうえ、2023年3月31日までに都道府県知事に提出してその確認を受けてください
(2023年3月31日までの贈与については、贈与後に承継計画を提出することも可能)
2.贈与の実行
先代経営者等である贈与者(贈与時において会社の代表権を有していないこと)から受贈者
(贈与時において役員の就任から3年以上経過の20歳以上の代表者)が全部又は一定数以上の株式の贈与を受ける必要があります。
3.認定申請
会社の要件、後継者(受贈者)の要件、先代経営者等(贈与者)の要件を満たしていることについての都道府県知事の
「円滑化法の認定」を受けます
4.税務署へ申告
贈与税の申告期限までに、この制度の駅用を受ける旨を記載した贈与税の申告書等を認定書の写しとともに税務署に提出する
とともに、納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。
5.申告期限後5年間
都道府県庁へ「年次報告書」を提出(年1回)
税務署へ「継続届出書」を提出(年1回)
6.5年経過後実績報告
雇用が5年平均8割を下回った場合には、満たせなかった理由を記載し、認定支援機関が確認。
その理由が、経営状況の悪化である場合等には認定支援機関から指導・助言を受けます
7.6年目以降
税務署へ「継続届出書」を提出(3年に1回)
8.先代経営者等(贈与者)の死亡等
先代経営者等(贈与者)の死亡等があった場合には、「免除届出書」・「免除申請書」を提出することにより、
その死亡等のあった時において納税が猶予されている贈与税の全部又は一部についてその納付が免除されます。
※認定支援機関とは、中小企業が安心して経営相談等が受けられるために専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。具体的には、商工会や商工会議所などの中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な認定支援機関として認定されています。
コンパッソ税理士法人は認定支援機関の認定を受けております。
納税猶予を受けるための手続きは入口から出口まで長期にわたり、定期的にあります。
私どもでは、承継計画の策定から納税免除までお手伝い致します。
相談はいつでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
代表社員 若林昭子