事業所税「資産割」とは?

前回に引き続き、第2回目の事業所税についてご紹介します。
 
事業を営む方にとっても、事業所税は意外と意識されていないものの一つかもしれません。
しかし、事業所税は、事業で使用する床面積と従業者数によって課税されるものである為、事務所や倉庫を賃貸する際、又は、将来の人員配置や人員構成など事業計画策定時に検討すべき材料の一つとなり得るものだと考えます。
また、事業所税は、都市の行政サービス、例えば、ごみ処理、上下水道、公害防止など都市環境の整備及び改善に関する事業に充てられる為、大変重要なものとなります。
そのような事業所税の算定にあたっては、「床面積」の算定について判断に迷うことがあるかと思います。調査においても、申告した「床面積」の妥当性についての確認が行われます。
そこで今回は、事業所税における「資産割」に焦点をあて、事業用床面積の算定時に注意すべき点を再確認していきたいと思います。

資産割とは
該当区域内で使用する事務所・事業所等の床面積が1,000平方メートル(免税点)を超える規模で事業を行う法人又は個人に対し、1平方メートルあたり600円を課すものです。
納期限については、法人の場合は事業年度終了の日から2カ月以内に、個人の場合は事業を行った年の翌年3月15日までに、該当区域内における主たる事業所等の所在地の所轄官庁に申告して納めます。
(法701の40)

賃貸物件で事業を行っている場合の共用部分
賃貸用ビルの一部を借りて事業を行っている場合においては、事業用スペース以外の階段やエレベーター等の共用部分についても、事業所床面積に含める必要があります。また、同一のビル内で複数の事業者が事業を営んでいる場合は、共用部分の面積を、各事業者が使用する専用床面積の割合で按分し、自己の専用床面積と合算して申告します。
(令56の16(2))

従業者が常駐していない施設について
事業所税における「事業所等」とは、自己の所有に属するものであるか否かに関わらず、事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで継続して事業が行われる場所をいいます。従業者が常駐していない倉庫などであっても、事業を行う為に設けられた施設であり、通常それを管理する事業所等と一体となって事業の用に供されている為、当該事業所と併せて申告します。
(取扱通知 1章6)

不動産賃貸業を営んでいる場合
貸ビル賃貸業を営んでいる場合、「管理人室」や「管理用品倉庫」等の管理の為の施設は、貸ビル業者の事業用施設となりますが、賃貸の用に供している事務所・事業所等は、貸ビル業者の事業用床面積には含まれず、賃借人である事業者の事業用床面積に含まれることとなります。

福利厚生施設について
食堂・娯楽室・保養所等、事業主が従業員の慰安・娯楽等便宜を図るために常時設けられている施設で、直接事業の用に供されていない施設は非課税とされます。しかし、名称が「保養所」であっても当該施設で研修や会議を行う場合は、実質的には事業の用に供しているものとされ、業務用施設として課税対象となります。
(令56の41、法24の1(4)、取扱通知 2章9)      

上記は、特に間違いやすい、判断に戸惑うことが懸念されるケースの一部をご紹介いたしました。事業所税については、この他にも数多くの規定が存在し、且つ、複雑な要素を含んでいます。
事業所税の納税義務者は、適正な納税をするためにも、事業所税について再確認する必要がありそうです。
ご不明点がありましたら、コンパッソまでお気軽にお問合せ下さい。

次回は、第3回として、事業所税の「従業員割」についてご紹介いたします。

出典:東京都主税局公式ホームページ

渋谷事務所 舟久保明男

 

この記事について評価にご協力ください
  •  参考になった 
  •  わかりにくかった 
  •  全く参考にならなかった 
  •  探していた記事と違った 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。


関連記事

■非居住者への支払の際の源泉所得税について

■事業承継税制 ~納税猶予を受けるための手続き~

■「投資家の企業評価にもたらす影響~ファイナンス・リースとオペレーティング・リース~」

■平成30年税制改正 法人税編その1 ~法人課税 所得拡大促進税制の改組~

■「加熱式たばこと紙巻きたばこ どっちを吸いますか?」