事業所税「みなし共同事業」とは?

事業所税というと、大規模な法人にのみ課税されるとお思いになっている方がほとんどではないでしょうか。
実は、床面積が1,000㎡以下、従業員が100名以下の中小企業でも、課税されるケースがあります。
事業所税を知ることで、逆に中小企業がどうなったら事業所税を納めることになるのかということも見えてくると思います。
今回から全3回に分けて、事業所税について留意しなければいけない点についてご説明しますので、是非この機会を活用して一緒に勉強して頂ければと思います。
まず、第1回目は「みなし共同事業」の免税点の判定について触れてみたいと思います。

みなし共同事業とは
事業主が親族その他の特殊の関係のある個人又は同族会社などの特殊関係者を有していて、その特殊関係者の事業と事業主の事業とが同一家屋で行われている場合、その特殊関係者の事業は、特殊関係者を有する者との共同事業とみなされ、これらの者が連帯して納税義務を負う制度です。
(法701の32(2)、取通(市)第9章3(4)ウ)

みなし共同事業の適用
同族会社等の特殊関係者を有する場合において、その特殊関係者の行う事業が同一家屋で行われている場合(当該事業がその特殊関係者を有する者と意思を通じて行われているものでなく、かつ、事業所税の負担を不当に減少させる結果にならない場合を除く。)は、その特殊関係者の行う事業は共同事業とみなされます。
(法701の32(2)、令56の21(2)(5))

免税点の判定
特殊関係者を有する者の免税点の判定は、共同事業とみなされた事業のすべてを自己が単独で行うものとして、当該事業に係る事業所床面積又は従業員数と自己の事業に係る他の事業所床面積又は従業員数とを合算して行います。
(令56の75(2))

課税標準の算定
共同事業とみなされる事業に係る課税標準の算定は、特殊関係者が単独で事業を行うとみなされますので、特殊関係者を有する者及び当該特殊関係者ともに、その共同事業について、損益分配の割合を乗じることはせず、自己の事業のみに係る課税標準を算定します。
(令56の51(2))

具体例

※A法人、B法人の事業が相互にみなし共同事業に該当する。

上記のとおり、同一の家屋に関係会社が何社も存在する場合は、注意が必要になってくるのです。昨今の経済事情から経費削減のために、同一の家屋でグループ企業をまとめるといったケースも少なくありません。
思わぬ納税を課せられないように、企業統合する際は、税負担も加味しながら進めていく必要がありそうです。

最近、事業所税の税務調査が頻繁に行われているような気がします。私の担当先でも数件調査がありました。その際必ずといってよいほど、別の同族関係にある会社の実在をヒアリングされます。
同一の家屋に関係会社が存在すれば、その関係会社の別表2の提出も求められるのが現状で、親会社の調査が子会社の調査に移行するケースも少なくありません。
税務調査で指摘されないよう事前に納税義務の有無を確認しておく必要があります。
ご不明点がありましたら、コンパッソまでお気軽にお問合せ下さい。

次回は、第2回として、事業所税の「資産割」についてご紹介いたします。

出典:東京都主税局公式ホームページ

渋谷事務所 佐藤博之

 

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