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マンション建替えに係る税制の優遇措置

 最近の自然災害は激しさを増すばかりです。

 特に地震は最も人命にかかわるため、今までも大きな地震が起こるたび建築基準法の改正が行われています。つまり、古い建物は老朽化だけでなく、今より緩い基準法により建てられていることも問題です。
 国は国民の命を守るため、古くて危なっかしい建物は今の基準法に沿ったものに建替えてほしいと考えているでしょう。マンションは色々な人が暮らしているので建て替えは中々難しいものですが、円滑に行えるように建替えに必要な議決権の割合や容積率の緩和など各方面から法律が整備されています。もちろん税制面からも後押ししています。
マンション建替え等の円滑化に関する法律」に基づく建替えには各税金に優遇措置があります。以下、一部をご紹介しましょう。

1.譲渡所得税・住民税
(1)権利変換(※)によりマンション内の住戸を取得した場合、以前住んでいた住戸については譲渡がなかったものとみなされ、譲渡所得税がかかりません。
(2)建替え時に転出する場合は、以前住んでいた住戸の長期譲渡については優良住宅地等のための譲渡として、譲渡益2,000万円までの部分に限り軽減税率(所得税10%、住民税4%)が適用できます(本則は一律所得税15%、住民税5%)。
(3)また、やむを得ず(新しいマンションに住めない、狭くなってしまったなど)転出する場合は1,500万円の特別控除を受けた後で軽減税率適用です。

(※) 権利変換とは、旧マンションの区分所有権などの権利関係を調整して建替えられた新マンションの権利に移行することです。

2.登録免許税
権利変換によりマンション内の住戸を取得した場合、建替え前の固定資産評価額を限度に非課税となります。

3.不動産取得税
権利変換により取得する土地価額について一部控除されます。

 緩和されたとはいえ、建替えは再開発事業に該当しても全世帯の3分の2、該当しなければ5分の4の合意が必要です。マンションの建替えは難しい事業ですが、今後このような事例が増えてくるのではないでしょうか。
ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。

横浜青葉事務所 山崎 智津子

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