マイナンバー制度に飛び道具! 消費税軽減税率とからめての利用推進をはかる?

2015年10月よりマイナンバーが全国民に通知され、来年一月から個人番号カードが取得できるようになります。この導入に伴い事業者の皆様はその収集・利用・管理・保管・廃棄などについての理解が求められています。つい先日の内閣府の世論調査ではマイナンバー制度の内容を知っているとした人は、43%にとどまっているとの報道がありました。社会保障や税への広範な利用と罰則なども同時に想定した同制度について、コンパッソ税理士法人では別途ご案内の通り各所でセミナーを行っておりますので、ぜひご参加ください。

ところで2017年4月の消費税の10%引き上げに伴う軽減税率の導入が、自民・公明党の選挙公約とされています。対象として「精米」「生鮮食品」「酒をのぞくすべての飲食料品」の3案のいずれをとるか検討されていますが、政府は最も対象が広い「酒をのぞくすべての食品」の方向で検討しているようです。ただし消費税1%の税額は2兆5千億円、この軽減税率を採用すると1%につき6千6百億円の減収になります。また軽減税率の導入は実際の買い物時点での計算の煩雑さや、消費税の納付をする中小事業者の事務負担が大きいなど問題点も指摘されています。

そこで財務省が考えたウルトラCが、マイナンバー(カード)の利用です。すなわち買い物時点では食品でも10%の消費税を支払い、消費者は買い物の都度ICチップを搭載したマイナンバーの番号カードをかざして、ポイントをためるように支払い記録をためていきます。それを1年分まとめて軽減税率との差額を、年末調整や確定申告により所得税から還付する仕組みを想定しているようです。
この方式の利点は、
  (1)買い物の都度、商品ごとの税率を区分する煩雑さがなく、事業者の事務負担も軽減されます。
  (2)低所得者ほど消費税の負担が重くなる「逆進性」の問題がありますが、控除できる税額に一律上限金額を定めるとか、所得金額別の
     控除限度額を設定することによりある程度軽減され、またこれにより軽減分の税収の減少が抑制できます。

  (3)税と社会保障の効率化の観点からマイナンバー制度の浸透を図る上で、税の還付メリットを通じその利用を推進できます。

その反面、
  (1)買い物の時点では一律10%の消費税を払うため、特に低所得者には還付までの負担をどう解消するか。
  (2)零細な事業者にまで店頭でのカードリーダーを設置するシステム負担をどう支援するのか。
  (3)買い物行動等の個人情報保護意識や、漏洩トラブルへの対応などの問題。
  (4)そもそも17年4月の時点までの整備・導入が可能か。

実際問題として、財務省が考えるようには簡単なことではないと思いますが、皆様もマイナンバー制度と消費税の軽減税率の行く先に注目してください。

代表社員税理士 丹羽篤

 

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