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ネットバンキングの不正送金被害に遭った場合の所得税の雑損控除

前回は、ネットバンキングの不正送金被害についてご紹介しましたが、今回は、このような犯罪の被害が確定申告の雑損控除の対象になるかについて、ご説明致します。

ウイルス感染によってIDやパスワードが第三者に不正取得され、他人名義の口座に送金されてしまうネットバンキングの不正送金は、キャッシュカードの盗難により預金を引き出された場合や、キャッシュカードなどの磁気記録情報を不正に読み出して預金を引き出す「スキミング」と同様に、雑損控除の対象とされています。
一方、振り込め詐欺の被害については、本人の意思に基づき損失が生じているため、雑損控除の対象とはならないとされています。

雑損控除は、「災害」又は「盗難」もしくは「横領」によって、資産について損害を受けた場合に受けることができる所得控除であり、国税不服審判所の平成23年5月23日公表裁決に参考になる事例があります。

事例では、『詐欺の犯人が指定した口座に3回にわたり振込送金した請求人の行為自体が、請求人の意思に基づいてなされているので「災害」あるいは「盗難」には当たらない。また、「横領」は「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をすること」と解されるが、事例の場合は「横領」にも当たらない』とされています。

ネットバンキングの不正送金は雑損控除の対象になるとは言っても、被害に遭う前に、銀行が推奨しているセキュリティ対策ソフトを導入する、パスワードを定期的に変更するなど、利用者本人がセキュリティ対策を講じることが何より大切です。

万一、不正送金の被害に遭った場合、雑損控除を適用するには、銀行を経由して警察に被害届出証明書を発行してもらって、確定申告書に添付することが必要です。なお、銀行から被害額の補償があった場合には、損害額から補てん額を差し引いた金額が対象となります。

ご参考
1.雑損控除は、平成26年分の所得税から、損害を受けた資産が減価償却資産である場合には、時価を算出することが困難なケースもあることから、その資産の取得価額から減価償却費累積額相当額(非事業用資産を譲渡した場合の取得費の計算と同様に、耐用年数を1.5倍した年数により旧定額法で計算)を控除した金額を基にして損害金額を計算することも選択できるようになりました。

2.雑損控除の対象になる資産は「生活に通常必要な資産」のみです。「生活に通常必要でない資産」は対象となりません。平成26年4月以降、生活に通常必要でない資産の範囲に「主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権及びリゾート会員権等)」が追加されました。

確定申告に向けて、当社川崎事務所では無料相談を承っております。詳しくは、当社ホームページのご案内をご覧いただき、お気軽にお問い合わせ下さい。

出典:月刊税理(2014年11月号)
    税務通信(平成25年8月26日)
    全国銀行協会HP
    警察庁HP

川崎事務所 大畠百合香

 

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