シンジケートローンに係る手数料の損金算入時期

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表題の「シンジケートローンに係る手数料の損金算入時期について」に触れる前に、シンジケートローンとは何かをご説明したいと思います。
シンジケートローンとは、大口資金需要者の資金調達ニーズに対し複数の金融機関が協調してシンジケート団を結成し、一つの融資契約に基づき同一条件で融資を行う資金調達手法として知られています。
通常は、アレンジャーとして代表金融機関が、大口資金需要者とシンジケート団との間で、条件や契約の履行管理などの調整をつとめます。

金融機関側のメリットとして、協調融資によって1行あたりの融資額が少なくなり、リスクを減らすことができます。
大口資金需要者側のメリットとして2つあります。
  1.複数の金融機関から同時に融資を受けるため、大規模な資金調達が可能になります。
  2.複数の金融機関からの融資ということで、信用力の強化、複数の金融機関と個別に協議する必要がなくなります。

では本題の「シンジケートローンに係る手数料の損金算入時期」についてです。
TKC税務研究所のQ&Aの抜粋を下記に記します。

質問
A社は、今期、工場の増設資金の調達を目的として、メインバンクを通じてシンジケートローンによる融資額20億円、融資期間20年の借入れを行いました。
シンジケートローンの実行に際し、幹事金融機関であるメインバンクに対して、アレジメントフィーとして1億円を、エージェントフィーとして500万円を一括して支払いましたが、金利とは別に支払うこれらのフィー(手数料)は支払時の損金の額に算入することとしてよいでしょうか?

回答
アレンジメントフィーとは、アレンジャー(幹事金融機関)が行う業務、すなわち、シンジケート団の組成に際して、参加金融機関の募集、貸出条件の設定や交渉、契約書の作成及び調印式のアレンジ等に係る手数料であり、個々のケースで役務の内容に若干の差異があるとのことですが、一般に、融資実行までに役務の提供が完了している費用と認められます。
そうすると、アレンジメントフィーは、その支払い時において債務が確定しているものと認められます(法規通2-2-12)ので、支払い時を含む事業年度の損金の額に算入することになります。

一方、エージェントフィーとは、エージェント(事務手続き代理人。通常、アレンジャーをつとめた金融機関がエージェントに就任するそうです。)が行う業務、すなわち、契約期間中における、借入人・貸付人間の通知取次、元利金の受払い等の資金決済及び財務制限条項の確認等の事務管理等に係る手数料であり、一般にシンジケートローンの融資期間全体に及ぶ役務の対価と認められます。
そうすると、エージェントフィーについては、シンジケートローンの融資期間に対応して費用に計上するのが相当であり、一時金として支払われた場合でも、翌事業年度以後の融資期間に対応する部分の金額については、損金の額に算入することはできず、前払費用として資産を計上する必要があります。
従いまして、このケースにおけるアレンジメントフィー及びエージェントフィーが、上記と同様の費用と認められる場合には、アレンジメントフィーについては、支払債務確定時の一時の損金額に算入されますが、エージェントフィーは、融資期間に応じて費用計上していくことが相当と認められます。

現在シンジケートローンは、設備投資や社債の償還のために多額の資金を必要とする大口資金需要者の間での活用が進み、市場は急拡大しています。
平成17年には市場規模が21兆円を上回り、米国・英国につぐ世界第三の市場となっています。社債と並ぶ資金調達の手段としての位置づけが定着しており、市場のさらなる拡大が予想されています。

シンジケートローンは高額なフィーが発生しやすくなりますので、実務上の処理を行う前に弊社担当者にお問い合わせ下さい。

出典:「TKC税務研究所」

渋谷事務所 植竹秀之

 

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