これは賃金?それとも外注費?

 業種・業態がどんどん多様化するのと同時に、雇用形態もまた業種・業態によって様々なものが存在します。雇用形態の違いによって、

消費税の仕入税額控除の取り扱いの問題や、源泉所得税の問題が生じてきます。今回は、最近税務調査で話題となることが多い、

外注費(請負契約)賃金(雇用契約)について消費税の側面から考えてみたいと思います。

1.課税仕入れの定義

 消費税法2条1項12号には、「所得税法第28条第1項(給与所得)に規定する給与等を対価とする役務の提供を除く」とあり、課税仕入の

定義については、給与、賞与、賃金など、所得税法上給与所得に該当するものは、課税仕入に該当しないと定めています。

つまり、給与であれば不課税仕入外注費であれば課税仕入ということになります。

2.完全歩合の場合は?

完全歩合の場合は、出来高払いの給与とするか、請負による報酬として外注費とするか判断に迷うところです。消費税法基本通達1-1-1では、

出来高払いの給与であるか請負による報酬であるかの区分について、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかにより判断

することとされています。

3.契約区分が明らかでないときは?

 雇用契約か請負契約かの区分が明らかでないときは、

①その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか

②役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか

③まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等でも、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求を
  なすことができるかどうか

④役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか

の事項を総合勘案して判定すると消費税法基本通達1-1-1では定めています。

4.トラブルを防ぐには・・・

 業種・業態によって仕事の内容は千差万別であり、その業務の内容が雇用なのか請負なのか画一的に判断することはできません。上記の

4項目にしても、あくまで区分が明確でない場合の目安でしかありません。業種・業態によって状況に応じた個別の処理が必要である

以上、個々の事情説明が出来るように理論構築することや、雇用契約書など内容がはっきりわかる書面を作成した上で、結果として雇用

ではなく請負であるということを説明出来るようにしておくことが重要です。

渋谷事務所 和田 雄一郎
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