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くらしと消費税

4月7日(火)の日経新聞の朝刊で、政府・与党が、消費税の軽減税率の対象品目について、(1)酒以外の飲食料品(2)生鮮食品(3)精米の3つを軸に検討する方針を示しました。2017年4月に予定する消費税率の10%引上げに向け、生活必需品にかかる消費税負担の増加を避けるための具体策として提示されたものですが、実は、身近なところでも消費税の負担を軽減する策が講じられています。

住宅の貸付け
アパートやマンションを借りて住んでいらっしゃる方は、毎月口座振替により家賃を支払われることが通常で、当初締結した賃貸契約書や家賃の請求書をじっくり見る機会は少ないかと思います。
そのアパートやマンションの家賃ですが、居住用契約のものについては、消費税がかからないことになっております。これは、衣食住の中でも負担の大きい「住」の部分について、くらしの負担が重くならないように配慮されているためです。
※事務所契約等の家賃については、消費税がかかります。

学校教育にかかる費用
衣食住とともに、教育には多くお金がかかります。学校教育法に規定されている一定の要件を満たす学校等の授業料や入学金については、政策上、消費税がかからないものとされています。また、教科用図書の譲渡についても、同じ理由から消費税はかかりません。
ただし、学習塾や英会話教室等、学校教育法上の各種学校にあてはまらないような場合には、授業料等に消費税がかかります。また、市販の参考書や問題集についても、教科用図書にはあてはまらないため、消費税は課税されます。

医療や介護にかかる費用
健康保険や国民健康保険、労災保険、自賠責保険の対象となるような医療についての対価社会福祉法に規定する第一種・二種社会福祉事業等(特別養護老人ホームや老人デイサービス等)の役務提供の対価等についても、政策上の配慮により消費税がかからないことになっております。
ただし、医療については、市販されている医薬品の購入や、差額ベッド代、美容整形等、介護については、サービス利用者の選択による特別な居室提供や送迎等の対価は消費税がかかります。

このように、消費税は広く負担を求められる税として認識されがちですが、一方で国民の生活に支障が出ないよう配慮されている側面があります。消費税率の議論においても、生活必需品への課税の是非については検討されていますので、今後の動向に注目していきたいと思います。

出典:日本経済新聞 平成27年4月7日(火)
    国税庁HP

渋谷事務所 後藤美香

 

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