『単親家庭』とは?

日々、3人の子育てに悪戦苦闘している母親の一人なのですが、みなさんは『単親家庭』という言葉をご存知でしょうか。字をよく見て頂けると、「タンシン」の「シン」の字が『親』という字になっています。要するに『単親家庭』とは、母子家庭や父子家庭といった一人親の家庭の事をいいます。

1960年代後半から1970年代にかけて、イギリスでは父あるいは母、ないし両親の居ない家庭を「欠損家庭」と呼んでいました。しかし、「欠損」という表現が適しているのか疑問が提示されるようになり、そこで中立的な概念として「ワンペアレント・ファミリー」なる言葉が用いられるようになりました。そして、1981年の東京都児童福祉審議会の中で、「単親家庭の福祉に関する提言」と公式に訳されたのが始まりとされています。

単親家庭』の現状は、平成22年の国勢調査によると「母子世帯」は75万6千世帯(一般世帯の1.5%)、「父子世帯」は8万9千世帯と母子世帯の約8分の1となっています。全体の一般世帯5,184万2千世帯から見ますと、ごく一部分の話ではありますが、平成7年・12年・17年の国勢調査結果からしても上昇傾向にあり、今後も上昇するのではないかと危惧されています。

配偶関係別の割合を見ますと、「母子世帯」では死別7.9%・未婚10.1%・離別82.0%となっていて、「父子世帯」では死別19.5%・未婚3.3%・離別77.2%となっています。未婚及び離別は、父子世帯が母子世帯を下回っているのに対し、死別は10%以上も父子世帯が上回っていて、配偶関係に違いが見られます。平成7年からの推移は、母子世帯・父子世帯ともに死別は低下、未婚・離別は上昇しています。

では、『単親家庭』の子供の年齢割合・数別割合を見ますと、「母子世帯」では約7割・「父子世帯」では約6割の家庭に中学生以下の子供を抱えているという結果が出ています。
母子世帯・父子世帯ともに、子供が1人の世帯が50%以上と最も多く、子供が2人の世帯が40%弱、子供が3人以上の世帯が10%程度となっています。子供1人の世帯が最も多いですが、現在子供1人を育て上げるのに、3,000万以上かかるといわれています。子供が2人、3人ともなると1億の大台も見えてきてしまいます。両親で育てるのも大変な世の中ですが、それを単親で育て上げるのは、もっと過酷な事です。

そのような『単親家庭』に所得税法上、寡婦・寡夫控除という制度があります。
この控除には要件があり、
   寡婦は、その年の12月末の現況で、次のいずれかに当てはまる方
      (1)夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子が
         いる人です。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
      (2)夫と死別した後婚姻していない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、
         扶養親族などの要件はありません。

   特定の寡婦は、次の3つ全てに当てはまる方
      (1)夫と死別し又は離婚した後婚姻していない人や夫の生死が明らかでない一定の人。
      (2)扶養親族である子がいる人。
      (3)合計所得金額が500万円以下であること。

   <寡夫は、その年の12月末の現況で、次の3つ全てに当てはまる方
      (1)合計所得金額が500万円以下であること。
      (2)妻と死別し、若しくは離婚した後婚姻していないこと又は妻の生死が明らかでない一定の人であること。
      (3)生計を一にする子がいること。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない人に
         限られます。

となっていて、寡夫控除はハードルが少し高くなっています。男性は、子供の養育が終われば寡夫控除は受けられない事になり、男女の差別化が出てしまう部分です。また、寡婦・寡夫控除は死別・離婚が対象となっていますので、未婚の方は対象外になってしまいます。
現在、少しずつではありますが、未婚の方でも寡婦・寡夫控除のみなし適用を受けられる自治体も出てきています。詳しくはコンパッソ税理士法人までご相談下さい。

『単親家庭』が増加している現在、子育てに頭を悩ませている方は多数いらっしゃるかと思います。寡婦・寡夫控除という制度はありますが、男女の隔たりや、死別・離婚・未婚という配偶関係の隔差の問題も残っています。しかし、子育ての大変さに変わりはありません。1人で悩まず、相談できる世の中を作り上げていけたら・・・そんな子育てをしたいものです。

出典:高橋 保『[論説]母子家庭の現状と課題』
    総務省統計局『平成22年国勢調査最終報告書 [日本の人口・世帯] 』
    国税庁『NO.1170寡婦控除』『NO.1172寡夫控除』
    All About[マネー]田中卓也『未婚のシングルマザーも「寡婦控除」で税金の負担減?』

川崎事務所 大内瞳

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。