「会計上の負債と法律上の債務」

負債」と「債務」の違いはご存知ですか。
同じような意味の言葉として使われがちですが、全く異なります。
 
「負債」とは、会計学上の考え方で、会計用語として使われ、企業が外部の第三者に対して負う支払い義務 等の総称です。
「債務」とは、法律上の考え方で、債権に対応して、特定の人に対して特定の行為をなすべき法的義務です。
それでは、会計上の「負債」についてご説明したいと思います。
 会計上、「負債」は、将来、経済的負担が決まっている場合と、将来において発生の可能性が高いものについても計上 され、貸借対照表上では資本とともに貸方に計上されます。また、流動負債と固定負債の2種類に分けられ、企業の財政状態をより明瞭に表示することができます。
また、負債の中には、期間損益計算の必要上から、決算に際して計上しなくてはならない特別な負債もあります。これは、「会計上の負債」と呼ばれ、費用の 見積計上や収益の繰延計上 が該当し、貸借対照表の負債の部に計上されます。
 
 次に、法律上の「債務」についてご説明したいと思います。
「債務」は、 法律で取り決められており、債権者から、特定の人にのみ主張ができるものです。例えば、借金をした場合にお金を返さなければいけない義務(金銭債務)、物品の引渡を履行する義務(物品引渡債務)、サービスを提供する義務(役務提供債務)などがあります。会計の中での法律上の債務 は、返済義務のある借入金、保証債務、係争事件にかかわる賠償義務等、将来支払い義務の生ずる可能性があるものです。
 金融機関や投資家等の企業判断材料としての観点で見てみると、自己資本(返済義務のない資本)に対する負債の比率が重要となります。自己資本に対する負債の比率が低ければ、企業の総資本に占める負債の割合が低いこととなり、企業倒産の可能性が低くなると考えられるのです。
会計上の表示区分を正しく理解し、会社の状態を正しく表示することが重要です。
 
参考:中央経済社 財務会計講義 桜井 久勝著
 
千葉旭事務所 大木 聖薫