社会福祉法人の経理事務の考え方について

社会福祉法人にとって平成27年度は、様々な変更のある大変な年度といえます。介護報酬の改定、子ども・子育て支援新制度の開始、新会計基準の完全適用・・・。そして来年度からは、社会福祉法の改正に伴い財務諸表の公開等が求められるなど、経理事務に携わる方にとってはご苦労も多いのではないでしょうか。また、介護事業を主体とする社会福祉法人経営者におかれましては、報酬単価が下がったことにより収益面もさながら費用面、特に人件費においても見直しの必要性に迫られていることと思います。つまり、経理事務に関して言えばなるべくコスト(人件費)をかけずに品質の高い財務諸表や、的確な経営判断が行えるような会計報告資料の作成が求められるのです。

そうは言っても、新会計基準を理解して上記のような対応ができる経理事務職員というのは簡単に採用できるものではありません。未経験者に新会計基準を教え込んで育てるのも手ですが、その時間やコストは相当かかりますし、ようやく育ったと思った矢先に退職してしまうということも少なからずあるようで、その場合は投下した費用が無駄になってしまいます。
非常に悩ましい問題です。

そこで思い切って考え方を変えてみて、アウトソーシングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。経理に関するすべての業務を法人の事務員が行う必要はないのです。自法人で行う作業を最低限に抑え、他については専門性をもった会計事務所等を利用するのです。「餅は餅屋」です。

経理業務を大まかに分解してみると以下のように分けられます。

このうち、社会福祉法人会計に関する知識や経験が必要とされるのは(2)~(4)です。特に(4)については、作成されていない場合もあるかもしれませんが、冒頭で触れたように今後の法人経営には必要であると思われます。
この(2)~(4)について、社会福祉法人会計に精通した会計事務所等のアウトソーシングを利用します。その結果として、経理事務職員の採用・教育の負担や退職のリスクを心配せずに、社会福祉法人会計基準に準拠した適正な会計処理や財務諸表作成ができて、かつ今後の経営判断に有用な報告資料の作成や業界情報等も入手することができる、という効果が期待できるのです。

なお、コスト面とメリット・デメリットについては以下のように考えられます。

自法人職員による処理
コスト面
  ・当該職員の人件費(法定福利費等含む)
  ・その指導・育成に係る人件費相当額
メリット・デメリット
  育成がうまくいかずに当該職員の能力が低いままの場合は、割高な人件費となる。また育成がうまくいっても当該職員の退職リスクを考慮しなければ
  ならない。一方、自法人内での処理なので経営者への報告タイミングを早くすることが可能。

アウトソーシング
コスト面
  ・アウトソーシングに係る報酬分
メリット・デメリット
  書類やデータのやり取りがあるため、月次試算表の完成、報告資料等の収受までにタイムラグがあるものの、上記で述べたようなメリットを享受する
  ことができる。

いかがでしょうか。職員人件費やアウトソーシングの報酬は契約内容等により異なりますが、その効果のほどと併せて検討してみるのもよろしいかと思います。

  
社会福祉法人においても今後はより一層、効率的なコスト管理と的確な経営戦略が求められることとなり、そのときに信用性や有用性のある会計資料は欠かせません。節目の平成27年度、経理事務について再考してみてはいかがでしょうか。
コンパッソ税理士法人では、社会福祉法人会計にも力を入れておりアウトソーシングについてのご相談も受けさせていただいております。お気軽にご相談ください。

横浜青葉事務所 砂田力

 

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