社会福祉法人の新会計基準について

 平成20年12月より新公益法人制度が開始され、向こう5年間での公益認定や一般社団等への移行認定が始まっております。
 社会福祉法人もこれと同じ様な流れで、会計一元化へ向けた会合がもたれ、社会福祉法人会計の新会計基準(素案概要)が平成22年3月
公表されました。

【1.新会計基準(素案)の概要】

新会計基準の主な概要は以下のとおりです。

(1)適用範囲の一元化
   全ての社会福祉法人に基準(素案)を適用する。

(2)区分方法の変更
   (法人全体→(事業区分→(拠点区分→(サービス区分))))

(3)財務諸表等(計算書類)の構成と様式の変更

(4)財務諸表の注記の拡充

(5)明細書・別表の付属明細書への整理

(6)収入に関する勘定科目の統合・整理

(7)1年基準の厳格適用と支払資金の範囲の変更

   流動資産及び流動負債から下記の項目を除いたものを支払資金とする。

   1年基準により固定資産・固定負債から振り返られたもの棚卸資産(貯蔵品を除く)引当金を除く

(8)基本金・国庫補助金等特別積立金の取扱の変更

   4号基本金の廃止
   国庫補助金等特別積立金の支出範囲を固定資産に限定しない
   国庫補助金等特別積立金の積立範囲に借入金償還分も対象とする。

(9)引当金の範囲の限定

   徴収不能引当金・賞与引当金・退職給付引当金に限定

(10)金融商品会計基準(時価会計、償却原価法等の導入)

(11)リース会計基準その他の新会計処理の導入

(12)退職共済制度の取扱の明確化

(13)共同募金配分金等の取扱の変更・明確化

【2.移行期限と移行措置】

 新会計への移行期限としては下記の様に記載されております。

 (原則)大規模法人については、平成24年度(平成24年4月)予算からとする。
 (例外)小規模法人については、平成25年度(平成25年4月)予算からとする。

  ※「小規模法人」の定義は不明確。移行措置については運用指針にて通知され、経過措置期間は設けられない予定。

【3.その他】

(1)既存通知の取扱について

 保育所等で利用されている弾力通知(社援施49号)社会福祉法人経理規定準則(社施25号)等については、移行期間終了をもって
廃止される予定になっております。

 今回公表されました新会計基準(素案)につきましては、まだ確定ではないため今後も大きな変更が予想されます。しかしながら、最短で
2年以内には新会計基準が適用されることが見込まれております。現在使用されているソフトウェアの新会計への対応新書式の明細書
への対応
など直前になってからの混乱が予想されますので、関係省庁からの発表に留意して早めの対応をご検討ください。

参考文献:「社会福祉法人の新会計基準(素案)について」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局、社会・援護局、障害保健福祉部、老健局)
      「社会福祉法人会計基準(素案)」、「運用指針」(素案)

渋谷事務所 末廣 悦子
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