社会福祉法人の事務処理体制向上の支援について

平成28年より社会福祉法人に対し大規模な制度改革が行われています。

(1)経営組織のガバナンスの強化 (2)事業運営の透明性の向上 (3)財務規律の強化 (4)地域における公益的な取組を実施する責務 (5)行政の関与の在り方の見直し の項目に基づき次々と制度改革が行われています。

 上記改革の一環として、平成29年4月27日に新たな「社会福祉法人指導監査実施要綱」が発出されました。

 法人が自ら適正な運営の確保を行うことを目的として制定されているため、運営に問題がない法人については一般監査の実施の周期の延長が盛り込まれています。

 要約すると、法令を順守して、施設基準等に基づき適正な運営をしている場合には一般監査が3年に1回となります。旧制度では2年に1回でした。

 さらに、一定の要件を満たした場合には、所轄庁が監査周期の延長をすることができることとなりました。
その中のうち、最も使われると思われる部分をご紹介します。
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公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人(以下「専門家」という。)による~中略~財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を受けた法人において、専門家が当該支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものが提出された場合 4箇年に1回
※ 「社会福祉法人指導監査実施要綱」の制定について より抜粋
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税理士等の専門家による支援を受けると4年に1回の監査になる…?

 この文章だけ読むとそう受け取ってしまいがちですが、実際には所轄庁が延長できるという文言になっています。税理士等の支援を受けたからといって、必ずしも4年に1回となるわけではありません。

 実際に所轄庁に確認をしたところ、書類の提出だけでなく今後行われる監査の内容を勘案したうえで延長するかどうかの判断をします。とのことでした。

提出する書類は、「財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援業務実施報告書」という指導監査要綱にそったチェックリストを確認していく様式となっています。

 また、上記通知に対するQ&Aが発出されています。
●「社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A)」(平成29年7月11日)
問15に専門家の活用(による支援)については、毎年度の実施を要件とする。とあります。

 提出書類を書けばいいということではなく、継続的に支援を受ける必要があるということですね。

●「社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A(Vol.2)」(平成29年9月26日)
問1に税理士等の関わり方(専門家による支援に該当するか)が記載されています。

(1)顧問契約等により、会計の相談・指導を行っている場合・・・間接的な関与となるため専門家による支援に該当する
(2)決算業務又は記帳代行業務を行っている場合・・・直接的な関与となり、自らが関与した業務を自らが点検する自己点検となるため、専門家による支援に該当しない

 記帳代行等の場合において、指導監査の周期が4年に1回となる判断基準では、該当しないとなり、一見デメリットの様にも思えますが、経理職員の入れ替え等による引き継ぎ問題や、より深く細かい支援ができるなど、メリットも大きいです。

 社会福祉法人の制度に詳しい税理士等が支援を行うことは、現在の制度化における事業運営の透明性の向上につながっていきます。

 コンパッソ税理士法人においては、記帳代行業務、相談指導業務、どのような形にも対応しておりますので是非ご相談ください。

参考:厚生労働省HP

横浜青葉事務所 日高 健