社会福祉法人と寄付 その1

社会福祉法人に寄付をした場合、税務上の取扱いはどのようになっているでしょうか?
3回にわたりご紹介します。

社会福祉法人は、所得税法施行令第217条及び法人税法施行令第77条に規定する「特定公益増進法人」に該当します。
寄付をした人の区分や、金銭を寄付するのか現物を寄付するのかなど、誰が、何を、どのように寄付するのかで税務上の取扱いが変わってきます。以下で課税関係に関わりのある事項を確認しますので、まずは寄付のしかたについて順番に整理してみましょう。

1.寄付者は法人か?個人か?
2.寄付をするものは金銭か?資産か?
3.寄付は自分のものを寄付するのか?自分が相続した相続財産を寄付するのか?自分が死んだら寄付をしてもらうよう遺言により寄付をするのか?
4.寄付者は、寄付を受ける社会福祉法人の関係者に該当するか?しないか?

いかがでしょう? ご自分の知りたい寄付のしかたは整理できましたでしょうか?
整理ができましたら、個別のケースごとに税務上の取扱いを、寄付者と寄付を受ける社会福祉法人の両者でみてみたいと思います。
以下のケースでは、いずれも寄付が、社会福祉法人の主たる目的である業務に関連する寄付として受け入れられるものと想定しています。

ケース1 法人が財産(金銭・資産)を寄付する
寄付者(法人)  → 特定公益増進法人に対する寄付金として支出
社会福祉法人  → 寄付金収入として受入、原則非課税

※資産を寄付する場合、両者とも原則時価により処理をします。寄付者である法人は、時価により寄付金処理をし、時価と帳簿価額との間に差額が
  生じている場合は、差額を収益あるいは損失として計上します。
※特定公益増進法人に対する寄付金は、損金算入限度額が一般の寄付金とは別枠で定められています。
※一定の要件を満たすものとして財務大臣が指定した寄付金(指定寄付金)は原則として、全額が寄付者である法人の損金の額に算入されます。
※寄付者である法人あるいはその関係者と社会福祉法人の関係者に一定の関係がある場合には、社会福祉法人に贈与税や相続税が課税される
  ことがあります。

ケース2 個人が金銭を寄付する
寄付者(個人)  → 寄付金控除と税額控除のいずれか有利な方を選択
社会福祉法人  → 寄付金収入として受入、原則非課税

※寄付者である個人は、所得控除のひとつである寄付金控除と税額控除の、いずれか有利な方を選択することができます。多くの場合、税額控除を
  選択した方が有利となりますが、所得の高い方などでは所得控除を選択した方が有利となる場合もあります。
※税額控除を選択するには、社会福祉法人が税法に定める一定の要件を満たしている必要があります。事前に社会福祉法人に確認しておきま
  しょう。
※寄付者である個人と社会福祉法人の関係者に一定の関係がある場合には、社会福祉法人に贈与税や相続税が課税されることがあります。

次回につづきます。

出典:国税庁HP、TKC税務研究所、TKC出版『社会福祉法人の会計と税務』

千葉流山事務所 浅野宏臣

 

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