子ども・子育て支援新制度について

平成27年度より、平成24年8月に成立した子ども・子育て関連3法に基づく「子ども・子育て支援新制度」が開始されました。
子ども・子育て支援新制度」は、
   ・質の高い学校教育・保育を受けさせたい
   ・家庭や地域での子育て力の低下
   ・待機児童
の課題を解決するために導入された制度と言われております。
これらの課題を解決するべく具体的な取り組みとして、それぞれ以下の方法が挙げられております。
   1.認定こども園の普及
   2.地域型保育所による地域の子育て支援の充実
   3.小規模保育や保育ママによる待機児童の解消

子どもを預ける保護者の皆様にとっては、この新制度を充分に理解することとその対応が大変であったことは想像に難くはありません。一方、保育所等を運営する社会福祉法人等の実務の方へ目を向けると、年度末の現場では非常に慌ただしい状況が続いておりました。
平成27年2月~3月にかけて、所管する行政が主催する新制度の説明が完了し、具体的な内容がわからないまま「公定価額加算・調整項目届出書」の提出に追われ新年度を迎えるような形となりました。

旧制度では、社会福祉法人等が保育に係る運営費を3か月ごとに概算請求することによって入金され、毎月の状況報告書を提出することによって四半期ごと精算される仕組みとなっておりました。一方、「子ども・子育て支援新制度」では、社会福祉法人等が保育を実施した翌月以降に認定区分に応じた給付費等を児童毎に請求することによって月末に入金される仕組みに変わりました。
その結果、新制度適用初年度特有の問題として、
   A.資金繰りの問題
   B.予算との関係
が生じるものと思われます。

資金繰りの問題については、今まで「前受け」であった運営費が「後払い」に変わったことによって資金繰りに窮する法人等が出現すると思われます。とくに新設園に関しては、初年度の運転資金が少ないことが予想されます。また、6月末~7月にかけては夏季賞与の支給があるため資金調達が急務になります。これらの状況に対応するためには、
   1)向う6か月の間の資金計画を立てること
   2)資金援助を表明している自治体等の情報を収集すること
が重要になります。

予算との関係も重要注意が必要です。旧制度では、「基本分+民改費+主任保育士専任加算等」がメインとなっておりました。一方、新制度では、「基本部分」に加えて「加算部分-調整部分」で構成されることとなりました。旧制度と比べて「処遇改善等加算」の加算率が充実されたこと、「3歳児配置改善加算」が加えられたこと等により、概ねひと月あたりの収入は増加しているように見受けられます。一方で、「加算率」を維持するために「処遇改善加算」に見合うだけの人件費を拠出しなければならない事態も予想されます。また、平成27年度の当初予算において、これらを踏まえた予算を計上している可能性は高くないと思われます。
そのため従来は年2回程度しか開催していない理事会を四半期毎に開催するなど業績をつぶさにチェックしていくことが必要と思われます。

今後、給付費等の請求が進むことによって新たな課題が発生することも予想されます。どのような状況にも対応できる様、社会福祉法人におかれましても月次決算における業績管理が重要であることはいうまでもありません。
社会福祉法人の月次決算化に関してのご質問・ご相談はご遠慮なくコンパッソ税理士法人にお問い合わせください。

出典:内閣府「子ども子育て支援新制度なるほどBOOK」

渋谷事務所 戸田盛通

 

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