遺言と想続

遺言とは自分が生涯をかけて築き、守ってきた大切な財産を最も有効・有意義に活用してもらうために行う遺言者の意思表示です。遺言がないために相続を巡り親族間で「争族」が起こることも少なくありません。
今回は、遺言があれば「争族」が起こらなかったと思われるケースをご紹介させていただきます。

ご紹介のケースで亡くなられた方(被相続人)はご主人で、相続人は、後妻と先妻(死亡)との間の子(ご長男)の2名です。法定相続分は各2分の1ですので、ご主人の遺産について、それぞれ半分ずつ権利があることになります。

ご相談はご長男からで、後妻から財産の半分は私の名義にしてほしいとの話があったということでした。
ご長男の話では、父親が再婚したのは母親(先妻)が亡くなってから数年たった頃で、ご長男が中学生の時だったそうです。中学生といえば多感な年頃ですから多少の意見の対立はあったかもしれませんが、それなりに仲良く生活していたそうです。

その後、ご長男も成人し、ご結婚されて、ご同居もされていたそうです。父親が元気なうちは、後妻と特別な争いがあった事実はなかったということです。そのような状況でしたので、ご長男からすれば父親が亡くなっても「争族」が起こるなどということは思ってもみなかったそうです。

結局、裁判まで行いましたが、後妻に財産の半分を相続されてしまい、後妻はその財産を持って実家に帰ってしまったそうです。ご主人の考えがご長男と同じだったかは分かりませんが、多分、ご主人の考えの中に「争族」のことなどはなかったと思います。まして15年間も連れ添った妻が、財産を持って実家に帰ってしまうなどとは夢にも思わなかったのではないでしょか。
後妻にどのような思いがあったのかは最後まで理解できなかったと、ご長男は言っていました。
もしこのケースで遺言があれば、後妻の考えを変えることもできたのかもしれませんし、法的にも後妻の相続財産を4分の1(遺留分)にすることもできたのです。

今まで仲の良かった者が、相続を巡って骨肉の争いを起こすことほど悲しいことはありません。遺言とは遺言者の意思表示を遺言書という形で残し、「争族」を「想続」にすることが最大の目的であるといえるのです。
コンパッソグループでは、遺言書をはじめとする相続について、随時ご相談をお受けしております。お気軽にご相談下さい。

千葉流山事務所 金子真奈美

 

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