違憲/婚外子差別 相続はどうなる!? その2

前回に引き続き、非嫡出子に関する最高裁判所の判決(平成25年9月4日)についてお話いたします。

非嫡出子の相続割合に関する民法の規定は、これまで合憲という判断が下されていました。しかし、常に裁判官のうち数人は、合憲判決に反対意見を付しており、2004年10月14日の判決においては、5名の裁判官のうち2名が反対意見を示すなど、僅差の合憲判決となっています。つまり、この相続差別の問題は、いつ違憲判決が出てもおかしくないという状況だったのです。
この時の合憲判決も、国民感情や社会情勢の変化によって、将来的に違憲となる可能性を示しています。

そうすると、最高裁判所が、今回、違憲と判断したということは、昔に比べて国民感情や、社会情勢等が変化したからということになります。
下記の図は、世界各国の婚外子(共通の用語として「婚外子」という言葉を使います)の割合を示した表です。1980年と2008年とを比較すると、婚外子が世界的に増加していることが分かります。
結婚しないまま子どもを産むことは、世界的に見れば珍しいことではなく、社会的認知度も高いと言えます。しかし、日本の婚外子割合は、昔に比べて増加したとしても、まだそれほど高い割合ではなく、法律婚を非常に重視していることが分かります。それにしても、スウェーデンやフランスの子どもの半分以上が婚外子というデータには驚きです。

これまで最高裁判所で法律の規定そのものを憲法違反としたケースでは、いずれもその後に法律改正が行われています。したがって、この民法の規定についても、今後改正が行われると思われます。
すでに国税庁では、この違憲判決の趣旨を尊重する見地から、「平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合は、嫡出に関する規定がないものとして相続税額を計算する」旨を示しています。つまり、平成25年9月5日以降に亡くなった場合や、その時点で未決着の相続事件においては、嫡出子と非嫡出子を平等に取り扱って相続税額を計算することとされています。
なお、平成25年9月4日以前に、相続税額が確定している場合であっても、更正の請求や修正申告書などを提出する際には、嫡出に関する規定がないものとして相続税額を計算することになっていますので、その点は注意が必要です。
詳しくは国税庁ホームページをご覧いただくか、またはコンパッソ税理士法人までお問い合わせください。

出典:国税庁HP、読売新聞「平成25年9月25日」

川崎事務所 都筑正之

 

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