退職金と相続の控除額(平成23年度税制改正大綱より)

 年が明けて、今年こそ景気の向上をと願う気持ちは経営者の皆様のみならず日本国民の願いであることは言うまでもありません。
 景気回復や雇用促進を目指した法人税引き下げを謳った平成23年度税制改正大綱が昨年末に発表されました。賛否両論噴出しその効力については未知数でありますが、企業の内部留保を高め体力回復と温存を促し今後の日本企業が発展するための一助となることを願ってやみません。
 今回のトピックスでは、しばらく改正の無かった退職金と相続税の控除について再検証してみようと思います。
 
 退職することになった、また退職者が出たので源泉所得税の事務があった、などの際に確認する以外は、あまり縁のない退職金ですが、退職後の生活を維持する為に必要な退職金の所得は税法で優遇されており、以下の金額が控除されます。

  勤続20年以下…40万円×(勤続年数)
  勤続20年超 …800万円+{70万円×(勤続年数-20年)}

 勤続年数に係わらず80万円の控除、また障害者となって退職した場合100万円の控除があります。そして、控除後の残額の1/2に課税されます。

 今回の大綱の改正の背景には、公務員OBが再就職を繰り返す度に退職金を受け取る『渡り』を問題視した事があります。改正の内容は在職期間5年以内の場合、控除した残額の1/2ではなく全額に課税されるというわけです。
 
 また、相続税の基礎控除が5,000万円から3,000万円に、法定相続人一人あたりの控除額が1,000万円から600万円に引き下げられることにより、例えば夫妻と子供2人の家庭で夫が亡くなった場合、控除額は8,000万円から4,800万円に引き下げられることになります。相続人の住居である小規模宅地等は特例により評価の優遇措置がありますが、今後老齢者が増加し大相続時代を迎える日本の現状を踏まえ、金融資産、不動産を併せて税務申告が必要となる方々が増加する事が考えられます。(平成21年度で相続税の課税対象者となった方は亡くなった方の3.8%、平成20年度では4.0%でしかありません。)

 何よりも健康で長生きが一番ですが、その間にじっくり後継者を育て、相続や事業継承も心配のないよう備えをし、不安のない楽しい現役生活、引退生活をご計画ください。

参考:国税庁ホームページ 日本経済新聞
                            

川崎事務所 阿部 淳子
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