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身辺整理と遺言書

昨夏におばが介護施設に入所するため、手続き等のため帰郷してきました。もう身内としては私だけなので、この帰郷は大変喜ぶと同時に非常に申し訳なさそうな様子で、逆に此方が恐縮するぐらいでした。その際、元気なうちに色々と物を片付けたり、近親者へ連絡・挨拶をして整理したいという事を話されていました。

そこで、記憶として残すというのは、残す側にとっても重要な事であると同時に、残される側にとっても大変であるという事等を話し合ってきました。その際、先祖のお墓の処分や、自分にとっての思い入れのある品物についても、いくら身内といっても他人には処分には重荷になるだろうから自分なりの行く末を考えたいとも話されていました。

私はこの様な話を聞いて身の引き締まる思いがして、おばの思いを認めた書類と写真を何枚か目のつくところへ残しておいて欲しいとの思いを伝えました。そして、大事なものは銀行等の貸金庫には絶対いれて置かないようにと念を押してきました。

よく特に大事なものだからと貸金庫に預け入れる方がいますが、これは金庫から出す際は、相続人全員の同意が必要で、特に遺言書等は、よく遺贈される財産の違いがでるため、この同意を拒む相続人もおられます。そのため、遺言執行者を指定し、その遺言執行者の権限で扱う事ができる様にしておく必要があるからと話をすると笑っておられたのが、とても印象的でした。

遺言書には普通方式遺言として、公正証書遺言自署証書遺言秘密証書遺言とあることは皆様よく知ってらっしゃると思いますが、公正証書遺言以外はすこし気をつけないといけない場合があります。

前に遺贈される財産と記載しましが、遺贈とは、例えばAさんが亡くなったら子供のBさんにある財産をあげたいというものです。

しかし、このあげるという行為、贈与とはその贈与者と財産を受け取る受贈者が同意して初めて成り立つものです。ですから、Bさんがその財産が欲しくないため、放棄する事も可能であり、その財産は改めてAさんの相続人が遺産分割協議を行ってその財産の取得者を決める事になります。
ところが、Aさんが子供のBさんにある財産を相続させる。そしてこの遺言を必ず実行してほしいとして、遺言執行者を指定した遺言書を作成したとします。
そしてAさんが亡くなり、相続を進めて行くうち、その財産はBさんではなく、他の相続人Cが取得するという事に全員が同意したとして、その相続手続きを完了したとすると、この場合は上の場合と違い、一旦Bさんがその財産を相続した後、その財産をCさんに贈与したとして、贈与税が課税される可能性があるからです。

つまりBさんは、Aさんが亡くなった事を知った日から3ヶ月以内に裁判所に申述して全ての財産等を受け継がない、つまり放棄するか、相続財産を責任の限度として相続する限定承認しかないからです。

その行いは似ているとはいえども厳密には意味する事が異なるため、その後について大きく影響する事が考えられます。折角のいい機会ですからこの様な時、遺言書等読み返してみてはいかがでしょうか。

横浜青葉事務所 佐々木輝久

 

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