資産の無償移転による課税関係について

個人及び法人が資産を贈与した場合の課税関係(贈与側及び受贈側)の基本パターンを下記にまとめました。資産を贈与した場合には思わぬ課税関係が発生しますので注意が必要です。

(例)時価1,000万円(相続税評価額も1,000万円とします。)の土地(取得価額500万 円)を贈与した場合
※含み益がある資産を前提とします。

(パターン1)個人が個人に贈与した場合
☆贈与者
課税無し
☆受贈者
贈与税(相続税法21条)
時価(相続税評価額も同額)の1,000万円が贈与税の課税価格に算入されます。

(パターン2)個人が法人に贈与した場合
☆贈与者
みなし譲渡所得課税(所得税法59条1項)
時価の1,000万円から取得価額の500万円を差し引いた金額の500万円が譲渡所得の金額となります。
※ただし、一定の公益法人等に対する寄付をした場合で、一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けた場合には、
みなし譲渡所得については非課税とする規定があります。(租税特別措置法40条)。
☆受贈者
法人税(法人税法22条2項)
時価の1,000万円が法人の益金の額に算入されます。

(パターン3)法人が個人に贈与した場合
☆贈与者
法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項)
時価の1,000万円が譲渡収益として法人の益金の額に算入され、同額が寄付金の額とされます。
寄付金の額のうち一定額は、法人の損金の額に算入されません。
また、取得価額の500万円は譲渡原価として法人の損金の額に算入されます。
☆受贈者
所得税(一時所得)(所得税法34条1項、所得税法基本通達34-1)
時価の1,000万円が所得税の一時所得の総収入金額に算入されます。
その年の一時所得の総収入額から50万円の特別控除額を差し引いた金額の2分の1の金額が一時所得の金額として課税の対象となります。
※なお、勤務先からの贈与である場合には、一時所得ではなく、給与所得として課税されます。

(パターン4)法人が法人に贈与した場合
☆贈与者
法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項)
前述したとおりです(パターン3の贈与者と同じ。)。
☆受贈者
法人税(法人税法22条2項)
前述したとおりです(パターン2の受贈者と同じ。)。

(まとめ)
以上のように、資産の移転には思わぬ課税関係が発生する場合がありますので注意が必要です。ご不明な点がございましたら、お気軽にコンパッソ税理士法人までご相談下さい。

(参考文献)
三木義一ほか「よくわかる税法入門」(有斐閣、第10版)

川崎事務所 大城正巳

評価ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。
この記事について評価にご協力ください
  •  参考になった 
  •  わかりにくかった 
  •  全く参考にならなかった 
  •  探していた記事と違った 

関連記事

■「家なき子特例」の適用とは?

■民法改正~相続税に与える影響はどうなる?~

■教育資金の一括贈与、期限迫る

■相続により取得した「空き家」の譲渡所得について