貸付金?それとも贈与?

 親子間での金銭の授受はよくあることだと思います。例えば親から子へ援助を目的として金銭を渡した場合、税務上問題は生じないのでしょうか。
通常、金銭を渡した場合には、年間110万円を超える部分について贈与税が課税されます。
 では、親子間の金銭のやり取りすべてに贈与税が課税されてしまうのでしょうか。

1.扶養義務者である親から子供へ生活費や教育費としてお金を渡した場合

 原則として、日常生活を営むのに必要と認められる範囲内であれば贈与税は課されません。

 ただし、受領した金銭を車等の動産や株式及び不動産等の購入に充てたり、貯蓄した場合には課税されます。実際に生活費として子供に
金銭を渡した場合であっても、1年間分まとめて渡した場合は、贈与があったものとみなされるケースがあるので注意が必要です。

2.子供が不動産等を購入した場合にその購入資金として金銭を貸した場合

 原則として、『貸付』であれば贈与税は課税されません。ただし、無利息貸付の場合は、利息部分のみ贈与とみなされますが、金額が少額の
場合は強いて課税しないこととされています。

 また、親子間の『貸付』は『贈与』とみなされることも少なくないので、『貸付金』であるということを説明できる準備をしておく必要があります。
返済方法』や『期限』を明記した『金銭消費貸借契約書』の作成は必須です。また、子供に返済能力があること、そして、貸付金が返済
されているという事実があることが必要となります。返済にあたっては、口座振込にすることによって返済状況をより明確にすることが出来ます。

3.平成22年度の変更点

 平成22年中住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例をご紹介します。

 子供が住宅を購入するにあたり、親(直系尊属)から資金援助を受けた場合において、平成22年度の税制改正で贈与税の非課税限度額
引き上げられました。平成22年中に資金の贈与を受けた場合は1,500万円まで、平成23年中に贈与を受けた場合は1,000万円まで非課税と
なりました。

 また、相続時精算課税制度と組み合わせることにより、平成22年分においては最高4,000万円まで住宅取得のための資金援助を非課税で
行うことが出来ます。

 対象者は、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の方に限られますが、子供の住宅の購入を援助しようとしている方は一度
検討されてはいかがでしょうか。

参考文献:
『平成21年版 図解 相続税・贈与税』 (財団法人 大蔵財務協会)

渋谷事務所 木村 早紀

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