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被相続人と相続人が相次いで亡くなった場合の相続

被相続人の遺産分割協議や相続登記が終わる前に相続人が亡くなってしまい、亡くなった相続人の法定相続人がその地位を引き継ぐ状態を「数次相続」と言います。
例えば、夫婦と子供が2人の家族で、御主人が亡くなった後、遺産分割協議がまとまらないうちに、相続人である奥様が亡くなってしまうと、相続人である奥様の地位は子供の2人が引き継ぐことになるので、御主人及び奥様の遺産分割協議を子供2人で行うことになります。このようなケースは、相続が2回以上重なるので数次相続と呼ばれます。実際にこのようなケースは少なくありません。

数次相続の場合、亡くなった相続人の代わりにその法定相続人が遺産分割協議を行いますが、亡くなった相続人にも法定相続分の地位が発生します。
例えば上記の例と同様の場合で、法定相続分で分割すると御主人の財産の一部は亡くなった奥様が相続し、その後子供2人が奥様の財産を遺産分割協議により取得することになります。もしその財産の中に不動産があった場合、その都度相続登記を行う必要があります。ただし不動産を相続人の1人が単独で取得する場合は、一度の相続登記で済ませることができます。

数次相続の場合、相続税の申告期限及び納期限に注意が必要です。被相続人の後に亡くなった相続人の申告期限及び納期限は、その相続人が死亡したことを知った翌日から10ヶ月以内に延長されます。したがって夫婦と子供2人の家族で、御主人が亡くなった後に奥様が亡くなった場合、奥様の申告期限及び納期限は、御主人からの相続分と奥様の相続分が同じ日(奥様が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月)となります。なお子供2人の申告期限及び納期限は通常通りで延長されることはありません。

数次相続の場合、亡くなった相続人の代わりにその相続人が遺産分割協議を行うことになると前述しましたが、遺産分割のやり方によっては、相続税における下記の特例等を適用することができます。

配偶者の税額の軽減
被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した遺産額が、1億6千万円か配偶者の法定 相続分相当額(2分の1)のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

小規模宅地等の特例 
相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分については、一定の割合を減額する特例です。

相似相続控除
今回の相続開始前10年以内に被相続人が相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得し相続税を払っていた場合には、その被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人の相続税額から、一定の金額を控除できます。

例えば上記の配偶者の税額の軽減は、遺産分割協議において、亡くなった配偶者に遺産を相続させることで適用が可能になります。しかし、その次の相続にかかる相続税を考えると、税額の軽減を適用するためだけの安易な分割は避けた方が良いでしょう。

数次相続に限らず、遺産分割は最初の相続とそれ以降の相続でかかる相続税を検討しながら進める必要があります。場合によっては遺産分割が複雑になったり、相続税の計算も難しくなる可能性もありますので、まずは専門家に相談されることをお勧めします。

出典:国税庁タックスアンサー

千葉流山事務所 佐藤智成

  

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