相続税の連帯納付義務制度

平成23年度税制改正で一部改正された「相続税の連帯納付義務制度」。みなさんはこの制度をご存知でしたか?
今回はこの制度の内容と一部改正された内容をご説明します。

相続税の連帯納付義務」は、相続税法34条で下記の通り定められています。
「同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。」

これは、相続人が複数いる場合、その誰かが相続税を払わずにいると、他の相続人(=連帯納付義務者)が代わりに相続税を払わなければならないという内容です。
例えば、親の財産を兄弟で相続した場合、兄がきちんと相続税を納付したにも関わらず、弟が未納のままの場合、兄に弟の分の相続税の請求が来るということになります。

なんとも不公平な制度と感じてしまいますが、この連帯納付義務は相続人が共同して責任を負うべきであるとの考え方や租税回避防止などの観点から設けられ、実際過去の判例でも連帯納付義務を負わなければならない判決が下りており、免れることは難しいと思われます。
しかも、未納になっている相続税だけでなく、年14.6%もの高率な延滞税も付加されますので、踏んだり蹴ったりと言わざるを得ません。
平成23年度税制改正では、この延滞税が原則として利子税に代えるとする規定が設けられました。これは軽減措置となります。
但し、軽減といっても年4%以上の税率になりますので、負担であることに変わりはありません。
また、連帯納付義務者に対して、連帯納付義務の制度をあらかじめ周知しておくことが望ましいため、本来の納付義務者が延納または物納の申請を行った場合、連帯納付義務者へ連帯納付義務の適用がある旨を通知するなどの諸手続きが法定化することとされました。

この適用時期は、平成23年4月1日以後の期間に対応する延滞税について適用され、平成23年3月31日以前の期間に対応する延滞税については従来通りとされています。
なお、相続後長期間が経過してから履行を求められるケースがある相続税の連帯納付義務の問題点に対応するためのさらなる改正が、平成24年度税制改正大綱に盛り込まれています。

相続があり、相続税の納付が必要な場合は、相続人全員がきちんと納付したか確認することが重要になります。自分が納付しただけでなく、他の相続人にも納付が済んだか確認することをおすすめします。

渋谷事務所 森亜希子

 

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