相続の放棄について

相続税の基礎控除の引き下げにより、今まで相続税とは無縁の家庭も課税対象に取り込まれ、新聞・雑誌で相続税の記事を多く見受けられるようになりました。最近は、債務を抱えて亡くなる高齢者が増え、相続放棄の事案が増加傾向にあるようです。
そこで今回は、相続放棄についてご紹介します。

相続が発生した場合、亡くなった方の全ての財産を引き継ぎます。
財産には、預金、土地、株式のプラスの財産だけでなく、借金等のマイナスの財産も引き継ぐことになります。
プラスの財産よりもマイナスの財産が多いときなど、相続によるメリットがない場合は、相続放棄という選択肢も考えられます。

相続放棄は、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産も相続しないことをいいます。
平成23年度中に家庭裁判所に持ち込まれた相続放棄事案は約16万6千件あり、20年前の約3倍になっているようです。

相続を放棄する場合、原則として相続開始から3カ月以内家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出して行います。
相続放棄は、相続人の全員で行うこともできますが、自分1人でも行うことが可能です。ただし放棄したら取り消すことはできません。

相続を放棄すると相続人の順位に変更が生じることがあります。
たとえば、亡くなった方の子供の全員が相続を放棄すると、被相続人に子供がいなかったものとみなされ、直系尊属が相続人になります。また、その直系尊属がすでに亡くなっている場合や相続放棄をした場合、相続権は兄弟姉妹に移ることになります。

相続税の基礎控除の計算は、法定相続人の数で計算するため、相続を放棄しても基礎控除は変わりません。また、相続税の総額も変わりません。

生命保険金の非課税計算についてですが、非課税枠は「500万円×法定相続人の数」で計算するため、相続を放棄しても非課税枠は変わりませんが、相続を放棄した本人が受け取る生命保険金については、非課税枠が使えませんので注意が必要です。

相続税の計算は、亡くなった方の財産を漏れなく把握し、その財産の分割を相続人全員で話し合い、合意を得ることが必要です。
また、事前に相続税の流れや、税務上のメリット等を把握しておく対策が必要になってきます。
ぜひ、コンパッソ税理士法人までお気軽にご相談ください。
次回は、プラスの財産の範囲内で借金等の債務を引き継ぐ「限定承認」についてご紹介したいと思います。

出典:納税通信

渋谷事務所 瀧本良枝

 

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