相続した土地の放置は勿体ない!空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設

前回に引き続き、「空き家問題」を取り上げたいと思います。

全国の空き家の総戸数は、2015年現在で820万戸にのぼっているそうです。親が亡くなって実家を相続した場合、相続した実家に住むなら相続税が軽減されますが、住まない場合には、適用されません。また、建物や庭のメンテナンスに手間も費用もかかり、さらに遠方に住んでいる場合には交通費もかかります。手入れをせずに放置しているとご近所から苦情が出るようになります。今まで住宅用地特例で軽減されていた「固定資産税・都市計画税」も、今後は特定空家に指定されると軽減対象から外されてしまうため、「固定資産税・都市計画税」が跳ね上がってしまうことになります。

平成27年5月から空家等対策推進法が施行されており、空き家の撤去や有効活用を促進するための基本指針を策定し公表されました。そして、平成28年度税制改正大綱により空き家の最大の要因である「相続」に起因する古い空き家の売買を活発にして、空き家を減らしていく「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設」が打ち出されました。

特例の概要
下記要件を満たした場合には、当該譲渡に係る譲渡所得の金額について居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用することが出来ることとする。

要件
1.居住用家屋
    (1)相続開始直前において、被相続人の居住の用に供されていたこと
    (2)相続開始直前において、被相続人以外に居住者がいなかったこと
    (3)昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
    (4)相続の時から譲渡の時まで空き家であったこと
※当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る又はこれに準ずる基準に適合するものであること。
※譲渡した家屋は相続時から譲渡時点まで、居住、貸付、事業の用に供されていたことがないこと。

2.土地
    (1)相続開始の直前において、被相続人の居住用家屋の敷地の用に供されていたこと
    (2)相続の時から譲渡の時まで更地であったこと
※更地とは家屋を除却した後に譲渡される敷地の用に供されていた宅地等をいう。
※譲渡した土地は、相続時から譲渡時点まで、居住、貸付、事業の用に供されていたことがないこと。

対象者
相続により被相続人居住用家屋及びその敷地の用に供されていた土地等を取得した個人

適用期間
平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に行った譲渡

譲渡期限
相続の時から相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にした譲渡に限る

譲渡対価限度額
譲渡対価の額が1億円を超えるものを除く

特別控除額
3,000万円

他の特例との適用関係
1.この特例は、「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(取得費加算)」との選択適用
2.居住用財産の買換え等の特例との重複適用その他の所要の措置を要する

添付書類
確定申告書に、地方公共団体の長等の被相続人居住用家屋及びその敷地の用に供されていた土地等が「相続開始から譲渡まで空き家であったこと等」の確認をしたことを証する書類その他の書類の添付を要する

相続をしたけどその物件は使用せずに空き家状態になっているなど心あたりのある方はご検討下さい。空き家対策に関わらず、何かお困りな点がございましたら、コンパッソ税理士法人までお問合せ下さい。

出典:TKC出版「Q&A平成28年度税制改正の留意点」
    ぎょうぜい「平成28年度税制改正要点チェック」

渋谷事務所  串田美幸

  

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