白井相談室第6回『不動産所得における事業的規模について』

第6回目は、不動産所得における事業的規模について取り上げてみたい。

(質問)
私は昨年アパートを作りましたが、そのアパートの事業についての確定申告にあたって、ある方から、事業的規模ならば色々特典があるよ、と教えられました。事業的規模とはどのようなことでしょうか?
ちなみに、私のアパートは9室で一部屋8万円です。駐車場が10台分で一台あたり1万円です。

(答)
事業的規模か業務的規模かによってその差異は、
    1.貸し付け不動産の取り壊し、除却などにより生じた損失は、事業的規模ならばその全額をその年の必要経費に算入できます。
      業務的規模ならその年の不動産所得の金額が限度。
    2.貸倒損失の必要経費算入も同様。
    3.青色事業専従者給与ほ必要経費算入も同様。
    4.青色申告特別控除のうち65万円控除は事業的規模に限られます。
などに現れています。
形式的には、アパートなどについては10室以上、独立貸し家屋については5棟以上であれば一応事業的規模とみなしています。駐車場については、地域性、維持管理状況、個々の実態に応じ、おおむね5台分を1室相当とみなす事としています。
この形式基準から判断すると、貴方の場合は、9室+(10台÷5台=2室相当)=11室相当とみられることから、おおむね事業的規模と判断できます。

留意点として・・・
不動産貸し付けが事業的規模と認定されるためには、その不動産の規模、賃貸料収入の状況、管理状況等を総合的に見て、客観的に事業と認められることが必要です。単に賃貸料収入が多いだけの場合や、維持管理の役務提供をしてるだけ、あるいは生活に資しているだけでは事業として認められません。
5棟10室基準だけにとらわれることも危険。実態からの客観的判断が重要です。
いずれにしても、専門家とよく相談することをおすすめします。

代表社員税理士 白井輝次

 

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