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白井相談室第2回『生活費の贈与』

 この度の東日本大震災からの1日も早い復興を心よりお祈り申しあげるとともに、コンパッソグループも全力でご支援致します。

第2回目は、生活費の贈与について取り上げてみたい。

(質問)
私は、孫(18歳)に対して、大学入学金800万円を払うことにしました。
これは子の資金が足りないため、孫の入学祝いを兼ねて支援しました。孫がもらった800万円は生活資金ということで、贈与税の課税はされないと思いますがいかがでしょうか?

(答)
あなたと孫の関係は、直系血族で相互に扶養義務者(民法752、877)なので、孫に提供した入学金は、教育費にあてるための贈与として、贈与税の非課税財産に該当します。

贈与税の非課税規定では、贈与の当事者について「扶養義務者相互間」と定めているのみで、直系血族間では親等の近い者が優先するという定めもありません。
また、相続税法21条の3第1項2号に規定する「通常必要と認められるもの」については、「被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲の財産をいう(相続基通21の3-6)」とされていて、教育費については義務教育にかかるものに限らないとされています。

従って、このような質問の事例では、多額の入学金を贈与したとしても、贈与税は課税されません。
また蛇足ですが、この入学金資金贈与が、あなたから孫への贈与であって、あなたから子への贈与ではないわけですから、将来あなたに相続が発生しても、この贈与自体が子の特別受益とされるということもありません。

なお、この種のご質問は多数ありますが、個々のケースによって若干取り扱いが異なりますので、実際の取り扱いは専門家の判断を必要としますのでご注意願います。

代表社員税理士 白井輝次

 

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