白井相談室第1回『離婚に伴う財産分与と譲渡所得税など』

 この度の東日本大震災からの1日も早い復興を心よりお祈り申しあげるとともに、コンパッソグループも全力でご支援致します。

第1回目は、近頃離婚の増加に伴って、財産分与等の質問が多くなっているので取り上げてみたい。

(質問1)
私(妻)は、先月離婚に伴って、夫から住居を分与されました。
しかし、この家を売却して引っ越したいと思います。
この場合の譲渡所得税はどのようになるのでしょうか?

(答)
あなたは、夫から分与されたご自分の住居を売却なさるのですから、居住用財産の3000万円控除(租税特別措置法35条1)を適用することができます。譲渡所得税の計算は、短期譲渡所得(保有5年以内)となり、下記の計算式で税額が計算されます。

  譲渡価額-取得費・譲渡費用-3000万円-所得控除額=短期譲渡所得
  短期譲渡所得×39%(国税・地方税)=税額

また、その際の取得費は、元夫から分与された時の価額(時価)ですが、通常分与されて直ちに売却なさる訳ですから、譲渡益はほとんど発生しないと思われますし、ましてや居住用財産の3000万円の控除が適用されると思われますので、このようなケースでの税金は発生しないと思われます。但し、不動産の移転に伴う印紙税・登録免許税等の諸費用は必要になります。

(質問2)
私(妻)は、先月離婚に伴って、夫からアパートを分与されました。
しかし、このアパートを売却して資金化したいと思います。
この場合の譲渡所得税はどのようになるのでしょうか?

(答)
あなたは、夫から分与されたアパートを売却なさるようですが、この場合は短期譲渡所得(保有5年以内)となり、下記の計算式で税額が計算されます。

  譲渡価額-取得費・譲渡費用-所得控除額=短期譲渡所得
  短期譲渡所得×39%(国税・地方税)=税額

また、このときの取得費は、元夫から分与された時の価額(時価)ですが、通常、分与されて直ちに売却なさるのですから、譲渡益はほとんど発生しないと思われます。但し、不動産の譲渡に伴う印紙税・登録免許税等の諸費用は必要になります。

(質問3)
私(夫)は、先月離婚に伴って、妻に住居を分与して、別の場所に引っ越しました。
この場合の譲渡所得税はどのようになるのでしょうか?

(答)
あなたは、分与した住居の時価(適正価額)で、元奥様に譲渡したと見なされます。従って、下記計算式で税額が計算されます。

この住居を5年超保有していた場合

  譲渡価額-取得費・譲渡費用-3000万円特別控除額-所得控除額=長期譲渡所得
  長期譲渡所得×20%(国税・地方税)=税額

この住居を5年以下保有していた場合

  譲渡価額-取得費・譲渡費用-3000万円特別控除額-所得控除額=短期譲渡所得
  短期譲渡所得×39%(国税・地方税)=税額

上記において、居住用財産を譲渡されたことになりますので、通常居住用財産の3000万円控除(租税特別措置法35条1)が適用されます。

なお、この種のご質問は多数ありますが、個々のケースによって若干取り扱いが異なりますので、実際の取り扱いは専門家の判断を必要としますのでご注意願います。

代表社員税理士 白井輝次

 

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