
平成26年度診療報酬改定について
診療報酬は、2年ごとに改定される公的医療保険診療を受けた場合の全国一律の公定価格ですが、厳しい国家財政事情の中、平成26年度診療報酬改定がどのように決着するのか注目されていました。
今回は、平成25年12月20日に厚生労働省が発表した平成26年度診療報酬改定の内容についてご紹介します。
<診療報酬改定内容の公表>
厚生労働省は平成25年12月20日、本年4月に行われる平成26年度診療報酬改定の内容を発表しました。
改訂内容は以下のとおりですが( )内は、消費税率引上げに伴う医療機関等の課税仕入れにかかるコスト増への対応分となっています。
診療報酬本体の改定率 : +0.73%(+0.63%)
医科改定率 : +0.82%(+0.71%)
歯科改定率 : +0.99%(+0.87%)
調剤改定率 : +0.22%(+0.18%)
薬価改定率 : -0.63%(+0.73%)
内訳(薬価改定) : -0.58%(+0.64%)
内訳(材料価格改定) : -0.05%(+0.09%)
診療報酬本体のプラス0.73%と薬価改定率等マイナス0.63%との全体で、0.1%引き上げということですが、本年4月からの消費税引き上げに伴う医療機関等の課税仕入れにかかるコスト増への対応分として本体と薬価を合わせて1.36%を含むため、実質では1.26%の引き下げとなっています。
マイナス改定は平成20年の改定以来、6年ぶりとなります。これは、実質プラスを求めてきた厚生労働省、日本医師会と、総額の削減を主張してきた財務省との間を取った首相官邸が「名目プラス、実質マイナス」という痛み分けを演出したといわれています。
消費税増税に対する対応ですが、医療機関は、社会保険診療報酬が非課税のため、当該仕入れにかかる消費税が控除できないので、診療報酬を1.36%、金額で年5600億円増額し医療機関の持ち出しにならないよう調整しています。
<診療報酬消費税負担分改定の具体案>
厚生労働省は、1月8日の中央社会保険医療協議会の分科会で、消費税増税対応分の上乗せ案として、医科で病院と診療所を合わせて約2200億円配分し、
【第1案】初診料2700円 → 2780円(80円値上げ)
再診料 690円 → 710円(20円値上げ)
【第2案】初診料2700円 → 2820円(120円値上げ)
再診料 690円 → 720円(30円値上げ)
とする2案を提示しました。患者自己負担は上記の1~3割になります。
第2案に比べ値上げ幅の少ない第1案は、基本診療料以外に広く薄く上乗せ配分するようになっています。協議会の委員の意見は「第2案のほうが動きやすい」として支持する意見が多数だったとのことです。
以上のような診療報酬改定の動向を踏まえて、医療機関関係者の方が経営計画を策定するのに有効なお手伝いをコンパッソ税理士法人では行っています。早めのご相談をお待ちしております。
出典:厚生労働省 報道資料
MMPG メディカルウェーブ
朝日新聞デジタル