平成26年度診療報酬改定について

今回は、平成26年度診療報酬改定についてご紹介します。

厚生労働省は前回の平成24年度診療報酬改定で、医科・歯科ともに、「在宅医療の推進」を掲げ、訪問診療に高い加算を設けました。ところが、今回の改定では、特に医科の在宅医療に対して、厳しいものとなりました。
その背景には、高齢者向けの施設への訪問診療で1人当たり数分の診察で荒稼ぎする医療機関が出てきたり、施設側が通院可能な入居者にまで治療を受けさせ、見返りを求めたりと、看過できないケースが散見され、診療報酬を見直す必要性が出てきたとの見方もあります。

平成26年度改定で医科の訪問診療は、同一日に同一施設で複数の患者を診察した場合、報酬は4分の1程度まで減少することとなりました。その結果、訪問診療から撤退するケースも出てくることも考えられます。

対して、歯科訪問診療を見てみると、前回、平成24年度改正では、「患者数2人以上」で一括りにされ、20分以上診療すれは、保険点数380点とされていました。これが、平成26年度改正では、患者数「2人以上9人以下」と「10人以上」で区分され、前者は20分以上で283点(消費税増税対応分の3点を含む)、後者は、時間に関係なく143点とされました。患者数「10人以上」では大きく報酬が減少することとなりました。

この改定を図示すると、下記のようになります。
「歯科訪問診療2」の見直しおよび「歯科訪問診療3」の新設等

歯科訪問診療料

在宅患者等急性歯科歯科疾患対応加算

飽和状態である歯科業界において、訪問診療を歯科医院経営の柱に置き、特に施設での診療に力を入れてきた医療機関にとっては大打撃と言えます。

このように、訪問歯科診療報酬は約1/3にまで減少しましたが、これまで再診療42点しか算定出来なかった20分未満の診療や、口腔ケアが143点算定出来るようになり、一定の増収効果も組み込まれています。
今後は、施設での訪問診療から在宅診療へ移行する傾向も考えられます。歯科医院では、より戦略的な経営が必要となってくるものと思います。

出典:厚生労働省「平成26年度診療報酬改定の概要(歯科診療報酬)」

渋谷事務所 舟久保明男

 

この記事について評価にご協力ください
  •  参考になった 
  •  わかりにくかった 
  •  全く参考にならなかった 
  •  探していた記事と違った 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。


関連記事

■持分なし医療法人への移行計画認定制度について③ ~具体的な手続きについて~

■持分なし医療法人への移行計画認定制度について① ~制度の概要と改正前の状況~

■持分なし医療法人への移行計画認定制度について② ~贈与税非課税での移行要件が大きく緩和~